古いぬいぐるみを治すクリニックが、3カ月待ちになるほどの人気となっている。治療費は、1体1万円からで10万円超の場合もあるが、思い出を守りたい大人が全国から依頼し、遠方や海外から持ち込む人もいるという。ぬいぐるみ市場の拡大で旅やカフェなど「ぬい活」サービスも広がっている。

「1週間で30箱ぐらい届く」ぬいぐるみ専門病院に予約殺到

「ぬいぐるみ」というと子どものイメージがあるかもしれないが、実は今、所有する人の半数が10年以上所有しているという。大人も大事にしている方が多い。

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思い出が詰まったぬいぐるみを鮮やかに蘇らせる、そんなサービスに注目が集まっている。

今、ぬいぐるみ市場は右肩上がりで、2023年度の市場規模は、前年比120%の約390億円となっている。(一般社団法人 日本玩具協会より)

その広がりは、東京・千代田区の「杜の都なつみクリニック」でもみられた。

杜の都なつみクリニック・箱崎なつみさん:
ぬいぐるみは、だいたい1週間で30箱ぐらい届きます。

杜の都なつみクリニックは生地が傷むなど、古くなったぬいぐるみを治療してくれる。目が取れてしまい毛並みがゴワついていたクマは、くすみが抜けふわふわになった。破れて中の綿が見えていたセイウチは、元の形に戻り色も綺麗に蘇った。

現在、クリニックには約100体が入院していて予約待ちの状態だという。

スタッフ:
本日は、どのような治療をご希望でしょうか?

30代:
30年前のぬいぐるみなので、子供の時にすごく振り回しちゃって、もう剥げちゃったとか目が傷ついちゃったりとか。子どもの時の思い出なのでお願いします。

この日訪れた人は、子供の頃おばあちゃんに買ってもらった思い出のぬいぐるみをきれいにしてもらうためやってきたという。

治療は郵送でも受け付けているが、中にははるばる遠方からやってくる方もいる。

30代:
新潟からです。箱に詰めて送るのがどうしても可哀想だったので、連れてきました。

新潟から新幹線でやってきたという女性は、5年前に道の駅で見かけたレッサーパンダのパペット「たぬ吉」に一目惚れしたという。

30代:
どこに行くにもいつも一緒。置いていくことは絶対にない。すっごく色んなとこに行ってて、温泉旅行が好きなので、結構あちこちの温泉行ったり、沖縄も行ったし、福岡とかも行ったし。

しかし約1年前から前足部分がほつれ、杜の都なつみクリニックにやってきたという。

30代:
お願いします。たぬちゃん頑張って。

一般的な治療期間は2ヶ月ほどで、再会までしばらくのお別れだ。

治療費は1体1万円からで、10万円を超えることもある。決して安くはない値段だが、なぜここまで依頼が増えているのか。そのワケは寄り添った治療方法だという。

杜の都なつみクリニック・箱崎なつみさん:
ぬいぐるみ一人一人によって、本当に治療内容が様々なんですね。治療のご要望に対してどういったことが私たちはできるかなど、相違がないようにカウンセリングをすることが重要だと思っています。

依頼していたクマを受け取りに来た女性は、リピーターだという。

40代:
帰ってきて感無量です。2カ月くらいずっと離れ離れだったので。

27年前に、親友からプレゼントでもらったクマのぬいぐるみは、約3年前に自分で洗ってみたそうだが、うまくいかず鼻に大きな穴があいてしまった。そこでこのクリニックで治してもらい、今回が2回目だという。

40代:
私はもう家族なんで、こういった病院があって助かります。

旅写真やカフェも…広がる新たな「ぬい活」

竹俣紅キャスター:
遠藤さん、こんなにきれいになるんですね。

遠藤キャスター:
やっぱりプロは違いますね。私も家で洗ったことがありますが、子供に逆に怒られるくらい形がくしゃっとしたりとか、全然違います。

竹俣キャスター:
色も薄くなってしまったりとか、肌触りも変わってしまいますもんね。このようなぬいぐるみに関するサービスは他にも広がりを見せています。ぬいぐるみ専門の旅行ツアー「ぬい旅」なるサービスも登場。お値段は5000円からで、お気に入りのぬいぐるみを代わりに旅行に連れて行って写真などを撮って送ってくれます。

さらに、「ぬいぐるみと一緒に行ける」をテーマにしたカフェも登場しています。プリンや飲み物など人間とセットでぬいぐるみ用の小さいサイズのものも出してもらえ、写真撮影なども楽しめます。70人の募集に約300人の応募が入る程の人気だそうです。このような「ぬい活」が今注目を集めていますが、中村さんいかがですか?

SPキャスター中村竜太郎さん:
私は結構理解を示していて、童心に戻るというか、小さい時に一人ぼっちだった時に寄り添ってくれるというのは、感情移入できるぬいぐるみじゃないですか。大切にしたいっていう気持ちはすごくよく分かりますね。

クリニックには、海外からも患者が来ているという。
(「イット!」5月30日放送より)

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