小泉農水相がコメ高騰対策として新たに打ち出した、政府備蓄米を特定の事業者と直接契約を結ぶ「随意契約」での放出。

今回は、年間のコメの取引が1万t 以上の大手小売業のみ申請できるということでしたが、申請は27日の夜に一時休止。
早ければ6月頭にも、2000円台で備蓄米が店頭に並べられる予定です。
「3000~3500円の備蓄米は高いと思われる」
しかし、そんな状況に大きな“ため息”を付く人がいました。

米専門店 角田商店 白川和江代表取締役:
今までの備蓄米どうなっちゃうの?と思いますね。あんなにうれしく注文をしたのに、私…。ハァ…。

さいたま市のお米専門店「角田商店」の白川さん。
5月に入ってようやく「備蓄米の案内」が届き、店舗販売用に入荷できる上限いっぱいの20袋分(600kg分)を発注したばかりだといいます。

しかし、この備蓄米は江藤前大臣の時に放出されたもので、競争入札によって流通したため、小売店が2000円台で販売すると、大赤字になってしまうのです。

角田商店 白川和江代表取締役:
販売価格は5kgで3000円~3500円の間で販売しようと思っています。うちのは2000円では売れないから…びっくりしましたよね。
さらに、2000円の備蓄米が流通するという話が出てからは、客足も遠のいたといいます。

角田商店 白川和江代表取締役:
お客さん、来なくなっちゃったんだ。
(きょうは)4人ぐらいしか来てないかもしれない、そのうち一人は(買ったのが)メロンだったし。もしかしたら(2000円台の)備蓄米を皆さん待っているのかな?って。
「3000円から3500円のお米(備蓄米)高いじゃない」って思われちゃって、残っちゃうのも不安ですね。売れなくて残っちゃう…お金払ったのに。

白川さんが戸惑いを感じているのは、価格だけではありません。
小泉農水相が放出する備蓄米は、輸送費を政府が負担するとしていますが、これまでの備蓄米は業者側の負担です。

角田商店 白川和江代表取締役:
こっちは送ってもらうと1袋700円だから、もったいないから私はレンタカーというか、トラック借りて取りに行く予定なんですよね。それだってレンタカー代かかるし、なんで2000円のばっかり“いいふう”になっちゃうのかなとは思いますよね。

政府の発表を受けて、白川さんは契約済みの備蓄米の仕入れ先に価格交渉を試みましたが、結果は…。
角田商店 白川和江代表取締役:
「2000円で出てくるものって、送料とかも全部国で負担してくれているじゃないですか、そういうのを負担してくれないんですか?」って申し上げたら、「それも全部できません、あくまでも3回目の備蓄米のやり方だから、それは無理です」と言われて。
様子を見て頑張るしかない。……どうやって頑張っていいかわかんない。

小泉農水相は残りの備蓄米10万t について、「中小のスーパー、町のお米屋さん、こういった大手ではないところを対象に新たな随意契約を、早ければ金曜日に再開をしたい」としています。
(「サン!シャイン」 5月28日放送)