ソニー生命が行った「生きがい実態調査」によると、約6割が生きがいを感じると回答した。年齢によって生きがいの感じ方は変化し、40代では約半数にとどまるが、50代で再び増加傾向に転じる。小さな日常にも意味を見出す意識が、生きがいの実感につながると専門家は指摘する。

調査で約6割が生きがいを実感…年齢で変化も

生きがいを感じる瞬間が「ある」という人は、61.1%。みなさんが生きがいを感じる時はどんな時だろうか。

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「生活の中で、生きがいを感じる瞬間は?」という質問に、61.1%が「ある」と回答した。

ソニー生命が、10代~70代の合計1400人を対象に「生きがい実態調査」を実施した。

10代の74%が生きがいを感じているようだが、年齢を重ねるごとに、徐々に減少していき、20代は64.5%、30代は60.5%、仕事や家庭が何かと忙しい40代は51.5%と半数ほどになった。ただ、50代に入ると再び増加に転じ、50代は55.5%、60代は58%、70代は63.5%となった。

「美味しい食事」・「旅行」・「温泉」などに、生きがいを感じる人が多いようだ。

一方、生きがいが「ない・分からない」人でも、直近1カ月以内に楽しみが「ある」と回答した人は、81.7%で8割以上となった。

この結果に対し、ソニー生命は、「生きがいがない人は、ある人と同じ体験をしても、その価値に気付かず、生きがいをスルーしている。常に“気付く姿勢”を持つことが、“生きがいスルー”を防ぐカギ」だと、コメントしている。

仕事・家族・趣味…それぞれの今にある生きがい

みなさんの生きがいは何か、街の声を聞いた。

エンジニア(30代):
生きがい…難しいですね。結構、仕事が半分生きがいみたいなところはあるかな。私を名指しでぜひ頼みたいと言われたとき、それにうまく応えられて、あなたに頼んで良かったと言われると、頑張って良かったなと思います。

会社経営(50代):
私は旅行と、推し活でライブに行くのが好きなので。(推しは)King Gnuです。ライブは10代の頃からずっと行っていて、今年53歳になるんですけど、ライブに行くことが生きがい。音楽に触れているのが。私が常に若くいる秘訣です。

メーカー(40代):
今単身赴任中で、ちょうど東京に帰ってきたが、久々に子供に合えるのでそこが生きがい。毎日、夜LINEでビデオ通話するので、仕事の疲れはそれで吹っ飛ぶ感じです。なるべく起きている時間に、いったん仕事を終わらせるようにしている。

機材リース(40代):
うちも同じ中3と小6の子供がいて、(友人と)家族ぐるみで遊ぶ。お互いの家を行き来して、子供たちは子供たち同士で楽しそうに遊ぶ横で、夫婦同士で飲んで、お互いの共通の話題で盛り上がったりとかが楽しいなと。妻もすごく楽しそうに、時には酔って楽しそうにしているのを見て僕も嬉しいなと。

人事労務系(20代):
今、筋トレにはまっていて、毎日筋トレするのが生きがいで楽しい。今まで自分に自信がなかったんですけど、筋トレで体が引き締まっていくのを感じて、気持ちも前向きになるので、生きがいになっています。今年の夏に初めて出るプロ制の試合があるので、そこで活躍できるように。

銀行員(30代):
結婚して子供産んだりすると、お母さんとしての立場で生きていくことが多い。家庭のためとか、子供のためとか。自分はどうやって生きて行ったら楽しいかというところは、数年間忘れていたなというのがありまして、最近はちょっと考え始めているところです。

日常の捉え方次第で深まる生きがい

「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役の松江英夫さんに話を聞いた。

海老原優香 キャスター:
私は友人に会ったり、ライブに行くのが生きがいですが、美味しい食事を挙げる方が多いのも、共感できますよね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
そうですね、私も食べるの大好きなので共感します。生きがいと言うとどうしても大きいことを想像しがちですが、日々の小さなルーティーンの中でも、「捉え方」を変えることで、生きる喜びを感じられると思います。

海老原キャスター:
「捉え方」を変えるには、どうしたらよいでしょうか。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
「今、この瞬間」に集中するのが、きっかけになると思います。

日々起きていることを「当たり前」の時間と捉えるのではなく、「二度と来ない貴重な時間だ」と捉えると、ありがたみや、喜びを感じるのではないかと思います。

自分が置かれている状況は、自分の力で変えることはできないですが、心の中での捉え方は自分で自由に決められるので、捉え方を前向きにすることによって、毎日の喜びを感じる過ごし方をしたいものです。

海老原キャスター:
その人それぞれの、その時々の喜びを大切にできたら良いなと思います。
(「Live News α」5月30日放送分より)

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