マンションなどのベランダから子どもが転落する。子育て中の親や祖父母、知り合いの面倒を見るために預かる人にとってもぞっとする光景です。

ベランダからの転落事故は、真夏と冬を除いたこの時期が要注意だといいます。防ぐために必要な対策を探りました。

少なくとも2か月で2件の転落事故が札幌で

住民:
ドスンという音がして見ると男の子が落ちていた

2020年8月午後10時ごろ、北海道・札幌市南区で4歳の男の子がマンションの8階から転落。
落下した地面が芝生だったこともあり、腕や足の骨を折る重傷を負ったものの一命はとりとめた。
周辺にはぬいぐるみなどが7~8個落ちていて、警察は男の子がぬいぐるみを見ようと落ちた可能性があるとみている。

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当時母親は子どもを寝かしつけリビングに移動していて、「男の子は寝たと思った」と話していたという。
北海道では、6月にも厚別区のマンション7階から5歳の男の子が転落し重体となる事故が起きている。当時両親は外出中で、男の子は1人だったという。

北海道内での幼い子どもの転落事故は、少なくとも2020年に2件、2015年にも1件起きていて、2010年には1件死亡事故も確認されている。

思わぬ子どもの事故に保護者は…

保護者:
まだ(孫は)歩けないけどおっかないよねえ。ずっと子どもを見ているのは難しいと思うので対策は取った方がいいと思う

保護者:
まもなく子どもが2歳になる。活発になってきて目が離せないです

中にはこんなヒヤッとした経験をした人も。

親:
鍵を勝手に開けてベランダに子どもが出たことあります

この時期は転落事故に「要注意」

身近に潜む子どものベランダからの転落事故の危険。実はこの時期に注意が必要だという。

セーフキッズジャパン・大野美喜子理事:
5月か、9月・10月が多くなっていて、窓を開けることが(事故が)増える原因とみています

東京消防庁によると、2015年から5年間に起きた5歳以下の子どもの転落事故を月別にみると、5月が最も多く、9月・10月が続いて多く発生していることがわかる。

セーフキッズジャパン・大野美喜子理事:
真夏はエアコンを使っている家庭が多く窓を閉めているが、気候がちょうどよくなり、窓を開ける機会が増える5月と、秋に増える傾向がある

北海道でも、まだ窓を開けることがあるこの時期。転落事故への注意は必要だが、どれくらいの人が転落防止の対策をしているのか。

セーフキッズジャパンが2017年に115家庭を対象に行った調査では、転落防止の対策をしているのは27%にとどまり、実に70%が何もしていないことがわかった。

セーフキッズジャパン・大野美喜子理事:
7割の人が知っていても対策をしていない、できないというのもあるが、もう1つの問題は、ベランダから転落してしまうリスクに対する保護者の認識が低いことがある

子どもが110cmの柵を上れるかを試そうと大野さんが行った実験では、5歳の子どもは軽々と乗り越え、2歳児でも背丈より高い柵を乗り越えられるケースが確認された。

提供:産業技術総合研究所

セーフキッズジャパン・大野 美喜子理事:
5歳とか4歳の子どもでも、110cmの柵を大体7秒から10秒で乗り越えられる能力がある子どももいるし、5歳だとほとんどの子どもは乗り越えられたと思う

好奇心旺盛な子どもの"予期せぬ行動"が引き起こす結果に待ち受ける転落事故を防ぐにはどうしたらいいのだろうか。

セーフキッズジャパン・大野美喜子理事:
ベランダに出られないように補助錠をつけたり、ある程度一定の距離しか開かないようにストッパーをつけたりするのが大事

大野さんが勧めるのは"補助錠"。
ホームセンターにある商品を見てみると、種類は豊富。

DCMホーマック桑園店・田中航さん:
30種類前後用意しています。今人気なのは"戸締り君ミニ(217円)"という商品です

窓枠に挟み、ねじを回して固定するだけで窓を自由に固定することができる。
窓枠の上に取り付けるタイプもあるので、お子さんの手の届かない位置に取り付けることも可能。

そしてもう1つ人気な商品はこちら。

DCMホーマック桑園店・田中航さん:
これを下枠に取り付けて…あとは回すだけです。これでしっかりと固定されました

長岡伶奈記者:
すごい、大人が力を入れても全然開かないですね

DCMホーマック桑園店・田中航さん:
こちらの商品は鍵付きとなっていて、取り付けたあとに黒いつまみを外すだけで回らなくなるので、これで小さなお子様が勝手に開けるというのを防ぐことができます

「ウインドロックZERO(382円)」という商品は、固定後ハンドルを取り外すことができるため、大人でも外せないほど。防犯上も役立つ商品。

子どもの予期せぬ転落事故を防ぐため、十分な対策が必要。

窓を固定する以外にも、転落事故防止の対策がある。
ベランダからの転落事故を防ぐ主なポイントは以下の通り。

・登れる物を置かない(エアコン室外機の上には斜めの板の設置も有効、植木鉢なども要注意)
・物を柵から60センチ以上離す
・足が入りそうな所を"アクリル板"などでふさぐ
・"補助錠"を設置し、1人で出られないようにする

北海道は、冬場は雪が思わぬ"踏み台"になることもある。改めてベランダに危険がないか確認してみてください。

(北海道文化放送)