季節外れの暑さが続き21日は全国で今年最多の216地点で真夏日を観測した。東京都内の野菜農家では暑さでブロッコリーに花が咲き、収穫が10分の1に激減しているという。一方で、九州を中心に警報級の大雨に見舞われるところも出ている。

豪雨と猛暑が同日に発生

21日は、九州で警報級の大雨、本州では2025年初の猛暑日が記録された。その季節外れの暑さで、身近なあの野菜にも異変が起きているという。

小山農園・小山三佐男さん:
こんな感じで、菜の花みたいになっちゃってます。これはブロッコリーが花咲いちゃった状態です。

この記事の画像(15枚)

取材班
これブロッコリーなんですか?

小山農園・小山三佐男さん
はい、もう商品にはならないですね。

菜の花みたいな開花したブロッコリー
菜の花みたいな開花したブロッコリー

真夏のような日差しの中、東京・立川市の小山農園では、収穫期を迎えたブロッコリーに緊急事態が起きていた。

その一方で、道路が冠水するほどの猛烈な雨が降った地域もあった。21日の日本列島は、2つの前線付近で激しい雨に見舞われた。

21日午前7時頃の鹿児島・口永良部島では、辺りが霞むほどの激しい雨が降りつけていた。

鹿児島県の雨量計で、午前7時50分までの1時間に80mmの猛烈な雨を観測。さらに、激しい雷も立て続けに発生していた。

種子島では、午前8時半頃には出歩く人の姿も多く見られたが、その直後には突如雨脚が強まり、滝のような雨に襲われた。

午後3時過ぎには、雨のエリアは滋賀・近江八幡市など東へと移動した。

長野・千曲市にある姨捨SAでは午後5時前、激しい横殴りの雨が降り、排水管の下には広い範囲で水たまりができていた。

開花したブロッコリー大量廃棄で大打撃

その一方で、岐阜・飛騨市では2025年に入って全国初の猛暑日35.0℃を観測した。

全国216地点で真夏日となり、今シーズンで最も多くなった。この季節外れの暑さに、農家は頭を抱えていた。

小山農園・小山三佐男さん:
これはブロッコリーが花咲いちゃった状態です。急に温度が30度とかになると、ブロッコリーもびっくりして花が咲いてしまうんですね。

取材班
ちょっと持ってみてもいいですか?

小山農園・小山三佐男さん:
どうぞ、どうぞ、結構ボリュームがあるんで。

取材班
こう見ると(ブロッコリーと言うより)完全に花束ですね。

小山農園・小山三佐男さん:
こうなると苦みがでちゃうので、すべて廃棄ですね。

例年なら今の収穫時期まではブロッコリーに花が咲くことはないが、5月に入り暑い日が続いたため開花してしまったのだという。

小山農園・小山三佐男さん:
2列ほどブロッコリーを植えていたが、花の咲き方が尋常じゃなくて全部潰しちゃった。200個分くらい。

まだ花の咲いていないブロッコリーは急いで収穫をしているが、通常の10分の1ほどの大きさまでにしか育っていないという。

小山農園・小山三佐男さん:
やっぱりこれだけ花咲いちゃうと収穫が計算できないので、ブロッコリーは来年やめようかなという方向で考えています。
(「イット!」5月21日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(15枚)