福井県あわら市で「あわられんこん」を生産する農家が、その魅力をより広く伝えようと、高校生とタッグを組んでパッケージをデザインすることになりました。21日は、生徒たちがレンコンの味の魅力や収穫の大変さを体感しました。
あわら市の冬の寒さの中で、じっくりと育まれるレンコン『あわられんこん』。その農家は斎藤貴さん1軒のみで、7000平方メートルでレンコンを育てて4年目を迎えました。斎藤さんは「すりおろすと粘りが出たり、スライスするとシャキシャキ感があったり、甘さがあったり、おいしく食べられるのが特徴」と話します。
あわられんこん農家・斎藤貴さん:
「福井県のレンコンといったら『あわられんこん』というくらいになりたい。いままでは買った袋にシールを貼って出荷していただけだが、出荷量も増えてきたのでちゃんとした袋を作りたいなと。シールを貼る手間を減らし、袋の見た目の印象でレンコンの魅力を伝えたい」
そこで斎藤さんが今年度初めて声をかけたのが、坂井高校ビジネスコースの3年生です。若者たちの視点に期待し、販売袋のデザイン制作を依頼しました。
22日は、生徒9人がレンコンの入った味噌汁などの料理を試食し、味や食感といったレンコンの魅力の原点を体感しました。
生徒たちは「硬いのかと思ったけれど以外と軟らかいし、おいしかった。レンコンのでんぷんでこんなにおいしいものが作れると初めて知った」「買い物に行って、見た瞬間にこれを買いたいと思われるようなパッケージを作りたい」と意気込んでいました。
その後、生徒たちレンコン畑へ。ホースの水で泥を洗い流しレンコンを掘り出す作業を体験すると「体が大変きつい」と生産者の苦労を知るとともに、「福井県あわら市でとれたレンコンがみんなに知ってもらえるようなパッケージをつくりたい」と話していました。
10月には、生徒がデザインした袋で斎藤さんのレンコンが販売される予定です。 生徒がデザインする袋には、斎藤さんからの要望でQRコードがプリントされ、スマートフォンでかざすと農家の斎藤さんを紹介する動画が見られたり、おすすめレシピなどのサイトにとべたりする仕組みになるということです。若い感覚を農業に取り入れるだけでなく、若い人に「あわられんこん」の魅力を伝え、消費拡大につなげたい、との思いも込められています。