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プレスリリース配信元:株式会社ザ・ゴール

Gen-Z Lab insight note vol.1 -世代別の消費行動インサイトを探る-






「もし“1億円”をもらえたら、あなたはどう使いますか?」
THE GOAL Gen-Z Lab 第一回調査では、このシンプルな問いについて、全国の20~50代の男女500人を対象に調査しました。
結果、Z世代(20代)が上世代と明確に異なる価値観を持っていることが浮き彫りに。
「1億円手に入ったら」という非現実的な質問を通じて、世代別の価値観や金銭意識を明らかにし、Z世代特有の志向や消費行動インサイトを紐解いていきます。
今後、Z世代向けのマーケティングや商品の強化を検討している方は、ぜひTHE GOAL Gen-Z Labまでご連絡ください。

Topic1. 今を楽しむ。一方で他人を気にするZ世代。

調査ではまず「日々を過ごすうえで最も大切に思うものは?」という設問で、それぞれの世代が重視する価値観・志向性を比較しました。<data1-1>


<data1-1> 重視する価値観 (単一回答)

30~50代では「家族愛志向(家族や気の合う友人と、仲良く穏やかに過ごす) (34.3%)」や「安定志向(将来を見据え、安心・安定した生活を送る) (24.3%)」が高い一方、Z世代(20代)では「享楽志向(今を楽しみ、好きなことや喜びを追い求める)」が最も高い(28.0%)結果が見られました。
またスコアは他項目よりも低いものの、「社会貢献志向(世の中や人に役立ち、価値あることをする)」や「ステイタス志向(他者から憧れられるような地位や名誉を手に入れる)」も、Z世代では比較的高い傾向にあります。
このように、Z世代では家族愛や安定よりも、「今、自分が楽しめること」と「人に役立ち認められること」という一見矛盾した2つの価値観の両立を求めていることが考えられます。


<data1-2> 金銭意識 (5段階評価Top2)

「お金」に関する意識を見ても、Z世代では同様の傾向が見られました。<data1-2>では、金銭意識のうちZ世代と30~50代で差が大きい項目を降順に並べています。
「絶対に買いたいものがある」「お金に対してポジティブ」と享楽志向の項目の差が大きい一方で、「周囲からお金に余裕があると思われたい」「寄付や資金援助に興味がある」と他者志向の項目も差がつく傾向が見られます。
したがって、Z世代の消費行動は「楽しめるか(享楽志向)」「人に役立つか(社会貢献)・認められるか(ステイタス志向)」といった重視点に基づいて購入プロセスをたどると考えられます。これはマーケティングや商品コンセプトを考えるうえでの鍵となるかもしれません。

Topic2. 「推し活」好きなZ世代、その理由。

それでは本題の「1億円の使い道」について、各世代のランキングを見ていきます。<data2>
まず、全世代で総じて高いものは「国内旅行」「預貯金」「両親へのプレゼント」等でした。30~50代では「預貯金」の順位が高く、その他「株・不動産投資」「投資信託」と資産運用系が高い傾向が見られます。これら現実的な用途は、自分や家族の将来の安心に向けた判断といえるでしょう。
象徴的な自由回答としては、「老後の夫婦の生活費の確保(30代女性)」「将来への貯金・安全な資産運用(50代女性)」等が散見しました。

<data2> 1億円の使い道ランキング (複数回答)

一方Z世代では、「趣味に投資」「豪華な食事」といった享楽志向の項目が目立ち、特に20代前半では「推し活・ファン活動」がなんと2位に挙がりました。
象徴的な自由回答としては、「趣味のカードゲームに全部使う(20代後半男性)」「ヘリコプターをレンタルし、1000万円を空からばらまく(20代後半女性)」といった享楽的なものから「コンサート全ステ (コンサートツアーのすべての公演に参加する) (20代前半女性)」「推しに貢ぐ(20代前半女性)」「推しのグッズを買う(20代前半女性)」と推し活関連のものが散見しました。
今までの分析をふまえると、推し活は「(ライブやイベント)楽しめる」だけでなく「人(推し)に役立つ・(コミュニティで)認められる」と、享楽志向と他者志向の両立を求めるZ世代特有のニーズを強く満たす象徴的な活動と考えられるでしょう。

Topic3. Z世代は、まだ夢を諦めない。


<data3> 1億円の使い道 (5段階評価Top2)

最後に、例えば「宇宙旅行に行く」「宝くじに全額使う」等のユニークなものも含めた項目それぞれに対して、該当者が実際どれだけいるかを確認しました。<data3>
全体でスコアが高かったものは「推し活に全力投資する」「諦めていた夢を追いかける」「FIREする」の3つです。特に「推し活に全力投資する」は、Topic2.で述べたように、20代前半で高く、なんと20代前半の37.0%が「(まあ)したい」と回答しています。また「諦めていた夢を追いかける」もZ世代で高く、20代後半の40.0%が該当しました。一方で「FIREする」は30代以降で高く、30代の43.0%が「(まあ)したい」と回答しています。
これらのことから、「夢(好きなこと)を追いかけたい」か「諦めてゆっくり過ごしたい」かが、享楽志向のZ世代と家族愛・安定志向の30~50代の分岐点とも考えられます。別の視点では、社会生活を長年続ける中で「現実>夢」の優先順になったときに、人は享楽志向から家族・安定志向に移り変わるといえるのかもしれません。

まとめ 「自分らしさ」と「他者承認」を求め続けるZ世代

今回の調査で大きく言えることは、「家族愛・安定志向」の上世代に比べ、Z世代は「享楽志向・他者志向」の傾向が強いということです。そして、その志向を満たす象徴的な消費行動として「推し活」が挙がりました。
Z世代は、「自分らしさ」と「他者承認」を満たせる活動に対して、優先的に消費するともいえるでしょう。これはZ世代向けのマーケティングや商品コンセプトに欠かせない観点と考えられます。

ここでひとつ考えたいのが、このZ世代の傾向が「継続的」か「一過的」かということです。
今の30~50代も、20代の頃には「今を楽しみたい」「広く人に認められたい」傾向が強かったことでしょう。しかし社会の荒波に長年揉まれ、また家族を形成していく中で、「小さな家族とともに安らかに過ごしたい」と自然に願うようになったのかもしれません。
この流れは、今のZ世代にあてはまるでしょうか?社会生活歴や婚姻率は、年を重ねるごとに確実に高まります。一方で、就労観や結婚観は若年層を中心に確実に変化が見られ、より多様化し、より個人主義が強まっています。また、SNSによる広く薄いネットワークは今後もさらに強まるでしょう。
したがって、Z世代は「30~50代になっても、少なくとも今の世代より享楽志向・他者志向が強い」だろうと推察されます。5年後、10年後のマーケティングを考える際の一助になれば幸いです。

Gen-Z Labとは、株式会社ザ・ゴールのZ世代メンバーが集まって若者の意識行動を分析し、
ブランドコミュニケーションへの活用を目指す組織です。
ファッションにとどまらず、ライフスタイル、アート、カルチャー、エンタメなど、
幅広い分野のトレンドについて若者の視点から紐解きます。
このGen-Z Lab insight noteでは、若年層の「今」を表す様々なトピックスに関して
クイックに調査・分析を実施。
マーケット視点で役立つ情報をnote形式で定期的にお届けします。

■お問い合わせ先
株式会社ザ・ゴール https://www.thegoalinc.co.jp/
Gen-Z Lab 黒川/増野 info@goal.dentsu.co.jp

■ 調査概要
調査主体 :株式会社ザ・ゴール
調査委託先 :株式会社電通マクロミルインサイト
調査期間 :2025年4月
調査手法:インターネット調査
調査対象 :全国20-59歳男女
有効回答数 :500サンプル



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