松山市の遊園地「梅津寺パーク」
約60年前の昭和38年(1963年)にオープンした愛媛県松山市の遊園地「梅津寺パーク」は初年度に31万3000人が来園。
海を臨む絶好のロケーションと梅や桜など季節の花も楽しめ、県内有数のレジャースポットとして親しまれた。
スペースシャトルが飛び回る「アストロファイター」、ラクダの背中のようにアップダウンした600メートルのコースを疾走する「キャメルバックコースター」。
長年、子供たちの笑顔に包まれた遊園地も少子化やレジャーの多様化などで来園者が徐々に減少。平成21年(2009年)に46年の歴史に幕を下ろした。

今治市の唐子浜パ-ク
こちらは今治市の唐子浜パ-ク。戦後の復興期に開園し、平成13年(2001年)に休業するまで、ピーク時は年間30万人の利用客を数えるなど、四国有数の遊園地として人気を集めた。
昭和56年(1981年)には中国上海雑技団の公演が開かれ、当時「世界でただ1頭芸をする」とうたわれたパンダも初来日した。
木馬に乗ったり器用に玉をまわしたりと、愛らしい姿を披露したパンダに、会場を訪れた3000人の観客からは、大きな歓声が上がっていた。

御荘湾ロープウェイと展望タワー
昭和47年(1972年)から愛媛県などが進めた、「南予レクリエーション都市」づくり事業では、宇和島や愛南にプールやキャンプ場など、様々なレジャー施設が整備された。
なかでもシンボル的な施設として親しまれたのが、1977年に建設された、御荘湾ロープウェイと展望タワー。
ロープウェイは御荘湾をまたぎ、対岸の馬瀬山までの1.5キロあまりをゴンドラで結んだ。
馬瀬山の山頂に作られた展望タワーは、円形のエレベーターが回転しながら、地上90メートルの高さまで上昇。宇和海や周辺の街並みを一望することができた。
開業から110万人あまりが利用した御荘湾ロープウェイは平成18年(2006年)に西海有料道路が無料化されるのを機に廃止。
展望タワーもピーク時は年間7万9000人の利用者でにぎわったが、耐震化の問題で2019年以降運行を休止している。

「ホテル奥道後」に隣接する施設 名物の菊花展
昭和38年(1963年)に開業した松山市の「ホテル奥道後」。隣接する施設では、季節ごとに様々なイベントが行われ人気を集めた。
こちらは名物の菊花展。4分の1スケールに縮小した江戸城をはじめ五重塔など、菊の花で飾り付けた大小30の建造物が呼びもので、会場は5万鉢の菊で埋め尽くされた。
松山では珍しい「闘牛大会」も行われ、巨体がぶつかりあう迫力に歓声がわいた。

注目された「奥道後歌劇団」
当時注目されたのが「奥道後歌劇団」、略してOKD。
「宝塚に負けない歌劇団を」目指し、昭和41年(1966年)に設立。定期公演を行うなど奥道後の名物となっていた。
設立から5年後には8期生が入団。17歳から20歳までの8人でほとんどのメンバーが福岡や東京など県外出身者。
昭和の娯楽を彩った奥道後歌劇団。ステージは夢を追いかける少女たちの情熱であふれていた。
