5月15日に行われる京都三大祭の一つ「葵祭」になくてはならないのが「二葉葵」という植物の葉です。鯖江市の立待小学校では8日、児童らが育てた二葉葵を収穫しました。
  
葉がハートのような形をしている二葉葵は、京都の三大祭りの一つ「葵祭」で行列参加者の衣装の装飾などに使われる植物です。
  
現在の鯖江市にあった吉江藩の藩主で、徳川家康のひ孫にあたる松平昌親の家紋「三つ葉葵」の原型がこの「二葉葵」であることから、この地域で古くからゆかりのある植物でした。
  
祭りには欠かせない二葉葵ですが、京都では獣害による被害などで不足していて、その現状を知った立待地区の住民が上賀茂神社に出向き、20株の二葉葵を借りる形で2007年から地区で育て始めました。栽培は地区の住民らがボランティアで行い、京都の上加茂神社には13年前から奉納しています。
   
鯖江市の立待小学校では、毎年5月8日に6年生の環境委員が、学校の中庭で育てた二葉葵を収穫するのが伝統となっていて、8日は児童8人が地元の人に教わりながらハサミを使って葉を切り取っていきました。
 
児童たちは「ここの分かれ目を切らないように、この下のあたりで切っている。祭りに来た人も楽しんでほしい」「二葉葵をニュースでは見たことがあったけど実際に見ると大きくて立派。私たちが採ったのを使ってくれるのは嬉しいしすごい」と話していました。
  
今年は冬の大雪のためか、例年と比べて量が少なく大きさも小振りだそうです。
 
8日に立待地区で収穫した約4000本の二葉葵は、9日に上賀茂神社に奉納され、15日の葵祭の行列などで使われるということです。
         
育てている「吉江あおい会」では高齢化が進んでいて、水やりや周りの除草など維持管理が難しくなっているということです。それでも、京都の大きな祭りに鯖江の二葉葵が使われていることを子供たちに誇りに感じてほしいと、毎年栽培を続けています。

福井テレビ
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