2025年1月に発生した埼玉県の道路陥没事故。
5月2日に転落したトラックの運転手の男性とみられる人物が救出されたが、死亡が確認された。
下水道管が破損し土砂が流れ出たことなどが原因とみられ、復旧には数年かかるとされている。
全国で相次ぐ水道管の老朽化によるトラブル。
地盤工学に詳しい専門家は、北海道はより注意しなければならないという。
北海道ではより注意!?全国で相次ぐ水道管老朽化によるトラブル
「本州より老朽化のスピードが速いかもしれない。北海道は凍上現象といって地中が凍ったり解けたりして、地盤が膨らんだり縮んだりする」(室蘭工業大学 木幡行宏教授)

北海道では2021年、三笠市で排水管が破損して土砂が流れ込み道路が陥没して車が転落。
3人がケガをした。

翌2022年には札幌市豊平区で水道管が破裂し、道路に水があふれた。
どちらも老朽化が原因とみられる。
トラブルを防ぐカギは点検や修理―札幌市では“ロボット”が出動
トラブルを防ぐためには点検や修理がカギを握る。
札幌市では、どのように行われているのか。
「人が入れない小さな下水管の中を調査するカメラ」(札幌市下水道河川局 染矢洋課長)
このロボットはカメラが2つついていて、作業員が遠隔操作して下水管の中の様子を見ることができる。

これは、実際の調査の映像。
下水管の中にひび割れが出来ているのが見つかった。

大きな損傷は交換しなければならないが、この時は特殊な樹脂で内部をコーティングし補修した。
「中に特殊な樹脂で新しいパイプを作るという補修の仕方です」(染矢課長)

ロボットの操作は難解
ロボットはカメラを伸ばして狭い所も調べることができるが、操作は簡単ではない。
記者が体験してみると。
「右をしながら、上を下が上がります。もうちょっと上がんないですね。ちょっと下げて。いやでも難しい。なかなか熟練の技が必要ですね。これは」(三宅記者)

札幌市が管理する下水道管は約8300キロ―「できるだけ長く使えるように細かな補修」
札幌市が管理する下水道管は距離にして約8300キロ。
耐用年数が50年とされる中、最も古いものは100年前から使われていて、破損による道路の小さな陥没は年間150件ほど起きている。
管の交換には多額の費用がかかるため、札幌市はロボットで年間210キロほどを詳細に調べ、直せるものはその都度補修しているのだ。
「できるだけ長く使えるように細かな補修を繰り返していくことが大事だと思っています」(染矢課長)
