2025年3月に起きた熊本市電同士の追突事故をめぐり、熊本市交通局は4月30日に事故原因について「車両の速度超過とレールに付着した油状のものが関係する」という認識を明らかにした。また重軽傷を負った計14人の乗客に対しては、熊本市交通局が治療費、慰謝料を支払う方針という。
事故の状況再現し事故原因を報告
3月25日、熊本市中央区で発生した熊本市電同士の追突事故では、乗客と運転士計15人が重軽傷を負った。

熊本市交通局によると、国の軌道運転規則には、前の車両との距離が100メートルに近づいたら速度を15キロ以下とする定めがあるが、追突時は17キロだったという。

4月30日に開かれた熊本市議会・都市整備委員会で、井芹和哉交通事業管理者は「事故の状況を再現した試験運転を行いました結果、レールに付着した油状のものと制限速度を超過していたことが、原因に関係すると考えている」と述べた。

井芹交通事業管理者は議会に対し、事故の状況を再現した試運転の結果として『速度超過』、そして熊本県警が成分分析中としながらも『レールに付着した油状のもの』が事故に関係するという認識を明らかにした。
全ての車両への速度計設置を検討
そして追突したのは速度計のない古い車両だったことから、熊本市は現在全ての車両への速度計設置を検討している。

また熊本市交通局は、重軽傷を負った計14人の乗客全員に謝罪したうえで、補償については治療費と慰謝料を支払う方針という。
(テレビ熊本)