東京発着の旅行が販売スタート

「GoToトラベル」の対象に、東京も追加。

18日から販売も始まったが、期待の一方で、新型コロナウイルスの感染の再拡大に警戒する声も上がっている。

赤羽国交相:
東京都が目的地となっている旅行、そして東京都に居住する人の旅行に関する割引商品については、予定通り10月1日以降、開始から対象とし、本日18日の正午から販売を開始していただけることをお知らせしたいと思う

この記事の画像(15枚)

「GoToトラベル」で除外されてきた東京発着の旅行が、18日からついに販売スタート。

これまで対象外とされてきた都民の反応は。

都民(20代):
GoToを使わせてもらえるなら、感染予防を守れば大丈夫かなと思うので、うれしい

都民(40代):
実際どこかに旅行に行こうかという具体的な話にはならない

都民(30代):
まだ油断できないなと

都内の旅行会社では、販売開始の正午になると同時に、予約サイトにはGoTo適用後の割引額が表示され、その10分後には早速予約が。

一方で、まだ対象外と表示されているホテルも。

オペレーター:
そうですね、現段階では対象外のままでご案内となりますので

宿泊施設側が、GoToへの申し込みが追いついていないケースもあり、徐々に切り替えが行われる見込み。

アドベンチャー・GoToトラベル担当者:
観光業、ホテル業にとっても、東京の客は非常に重要で、弊社だと全体の5~6割くらいが東京にからむ申し込みなので、非常に期待はしている

東京からの客を受け入れる側でも、期待は高まっている。福島・いわき市にある温泉旅館「雨情の宿 新つた」。

7月、「GoToトラベル」で東京が除外された際には、キャンセルが50件以上にのぼるなど、大きな痛手に。

雨情の宿 新つた・若松佐代子女将:
それでこれが7月18日から(キャンセル)いただいた分ですね

しかし、その後は徐々に県外からの客も戻り始め、19日からの4連休は2019年の8割から9割程度にまで回復。

10月から、「GoToトラベル」に東京が加わることで、さらなる追い風に。

雨情の宿 新つた・若松佐代子女将:
うれしいことですよね、やはり経済が回らないですものね。しっかり対策をしたうえで、ちゃんとしたおもてなしをしたいと思う

期待を寄せる旅行業界も新規感染者数の平均は増加

需要回復に期待を寄せる旅行業界。

しかし、東京の新規感染者数の直近7日間の平均は増加していて、まだまだ、手放しで喜べない状況は続いている。

赤羽国交相:
万が一、10月1日までに感染状況の著しい拡大があり、東京都の感染の状況がステージ3に引き上げられるなどの動きが出てきた場合には、政府全体の方針に基づき、東京発着の旅行の追加を延期するかどうかの判断を行うこととする

旅行業界に必要な対応とは

内田嶺衣奈キャスター:
「GoToトラベル」の対象にいよいよ東京が追加ということですが、松江さんはどのように受け止めていらっしゃいますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
「GoToトラベル」はまさに観光業。日本の観光をどう盛り上げていくか。これが目的なんですけれども、東京追加になって本当に効果的に進めていく上では、前回「GoToトラベル」やったことの実績から何を学んで生かすのか?この視点が大事だと思うんです。私は前回の結果から見ると、旅行に対する消費者の意識の変化、こういった特徴を私は注目しています。「安全への対価」ということです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
「安全とか安心を優先するがゆえに、多少コストを払ってでもいい」こういった意識の変化が徐々に出始めているというところに私は着目しています。実際過去のを見てみますと、人気があった旅行先というのは混雑を避けて比較的こじんまりしているところ、例えば1つの部屋の中ですべて完備されているような安全が確保されているところであれば、多少高くてもそういうところから売れていったりということで、キャンペーンの影響はありますけれども、「やはり安心とか安全を最優先したい」こういった消費者のニーズの変化が出てきているのでここをどう生かすのか、この辺がポイントだと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
そういった変化は本当に感じますけれどもその変化を受けて旅行業界としてはどのような対応が求められていくんでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
旅行業界は今までインバウンドもそうですし数を増やしていくということの中に成り立ってきた側面があるんですが、制約されている今においては、いかに付加価値を上げて単価を上げていくのか。この辺がさらに重要になってきているんです。そこにおいて、先ほどの安心とか安全。こういった価値をいかにサービスに変えていけるか。3密を避けるようなテクノロジーを導入したりとか、イノベーションをしてスペースを確保していく作り替えていく。こういった投資をすることでモデルを変えていく。この辺が求められているんじゃないかなと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
そしてここから経済的な回復をしていって、さらに今後旅行業界の成長を後押ししていくためには何が必要だと思われますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
まさに安全のためにモデルを変えていく。こういうことは大事なんですけれども、多くの旅行業の方は中小零細の方が大半ですから、そこに投資する資金であるとかコストをかけられない。これが厳しい実態だと思います。こういったところこそまさに政府が政策的な後押しをして業界の構造を変えるような後押しをする。これが非常に大事です。安心と安全というひとつの価値ととらえて業界も構造を変えていく。また消費者もそこに対価をしっかり払っていって双方が協力しながら、環境・産業を支え育てていく。これが大事になってくると思います。

内田嶺衣奈キャスター:
安全で楽しい旅行のためには旅行する側と受け入れる側、双方の感染対策と気遣いが何よりも大切だと感じます。これから旅行に出かけるという方はぜひ万全な対策をしてお出かけください。

(「Live News α」 9月18日放送分)