ガソリン税などに上乗せされる暫定税率。この暫定税率が廃止された場合、新潟県では“123億円”の減収となることが政府の試算で明らかとなった。4月30日に開かれた会見で新潟県の花角英世知事は「減収分の埋め合わせは国で検討してもらいたい」と話し、対応策の検討はあくまで国が行うよう求めた。

政府が試算“暫定税率廃止の場合の地方への影響”

私たちの日々の暮らしだけでなく、物流や小売など様々な産業に影響を与えているガソリン価格。

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政府は、物価高対策として5月22日から1リットルあたり10円引き下げる補助制度を導入する予定だが、このガソリン税には、本来の税率に加え、暫定税率として“約25円”が上乗せされている。

1974年当時に道路整備などの財源不足から始まったこの“暫定税率”は一時的な増税措置ではあったものの、50年以上にわたって維持されている。

自動車業界や日本自動車連盟(JAF)からもこの暫定税率廃止を求める声が上がり続けてきたが、近年の物価高などによる生活苦もあり、一般の消費者からも廃止を求める声は大きくなっている。

こうした中、政府は4月26日、暫定税率が廃止された場合の地方財政への影響について試算を行い、新潟県では123億円の減収となることが明らかとなった。

新潟県で“123億円”の税収減収に花角知事「とても飲み込める金額ではない」

この政府の試算を受け、花角知事は30日に開かれた会見で「ガソリン価格が下げられることになれば、県民や生活者の負担軽減になり、そのこと自体は望ましい」と話した一方で。

新潟県 花角知事
新潟県 花角知事

花角知事:
これはとても飲み込める金額ではない。この税収の減収分をどういう形で埋め合わせていくのか、これは同時に国において検討し、考えていただきたい。

地方財政への影響が大きいことから、花角知事は対応策を国で検討するよう訴えた。

暫定税率廃止の時期はいつ?

ガソリン暫定税率廃止をめぐっては2024年12月に自民党・公明党・国民民主党の3党合意がなされ、2025年度税制改正大綱に盛り込まれたものの、時期は明示されていない。

国全体で最大1兆5000億円にも上る税収減に対して政府与党が難色を示し、実現に向けては先行きが不透明となっているガソリン暫定税率の廃止。

物価高などで事業者や生活者の多くが苦しむ中、「国民を守る」と所信表明した石破首相、政府与党の素早い対応が求められている。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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