プレスリリース配信元:SAISON INTERNATIONAL PTE. LTD.
両地域の中小企業(SME)・中小零細企業(MSME)における1.67兆ドルの巨大な資金需要ギャップを解消するデジタル金融や国境を越えた協力、ブロックチェーンの可能性に言及
2025年4月、株式会社クレディセゾン(本社:東京都豊島区、代表取締役(兼)社長執行役員 COO:水野克己、 以下:クレディセゾン)の子会社Credit Saison Brazil Participações Ltda.(所在地:ブラジル サンパウロ、以下;Credit Saison Brazil )とValor Capital Group(本社:アメリカ合衆国 ニューヨーク)は、ラテンアメリカと東南アジアを比較・分析した、両地域の今後の発展に関する初の包括的レポート『Inspiring Growth Frontiers』を共同で作成し、2025年4月28日(ブラジル現地時間)に公開しました。本レポートは、両地域の持つポテンシャルと将来性を捉え、投資家・起業家・政策決定者にとって貴重な学びを提供することを目的としています。
主なポイント:
ラテンアメリカおよび東南アジアは成長が期待される市場であり、インフラ投資、中産階級の拡大、デジタル変革によって世界経済の中心地として浮上していますが、金融の非効率性や規制の障壁が依然として存在しています。
フィンテックはこれらの課題に対応し始めており、消費者ニーズや政府主導のフィンテック分野のイノベーション、そしてベンチャーキャピタル投資の増加が金融業界を変革しています。
さらに、次なる金融イノベーションはブロックチェーン技術にあり、金融市場インフラの近代化により、より安価・迅速・透明性の高い、かつ包括的な金融システムの構築が可能になります。
両地域のマクロな変化が生み出すシナジーを考慮すると、共通のビジネスモデルを用いた地域を越えた展開は、すべてのステークホルダーにとって自然な選択です。地域特有の事情を理解し、強固なパートナーシップを築くことが成功の鍵となります。
URL:https://latamsea.com/
比較調査レポートについて: サンパウロ & シンガポール、2025年4月 - ラテンアメリカと東南アジアは、10億人以上の人口を擁し、インフラ投資、中間所得層の拡大、そしてデジタル化の波に牽引され、世界の経済大国として台頭しています。Valor Capital GroupとCredit Saison Brazilがこの度発行した比較調査レポートでは、両地域は成長への準備が整っているにも関わらず金融の非効率性と規制の障壁に直面していることを強調しています。
今回が初の発行となるこの比較調査レポートは、デジタル金融、国境を越えた協力、ブロックチェーンへの投資拡大を呼びかけ、これらの地域がどのように世界の貿易と金融を再構築しているかを説明しています。ラテンアメリカと東南アジアの国々の経済成長は確かなものである一方、依然として金融面において分断されており、融資へのアクセスが制限され、商業としての統合が妨げられています。
「ラテンアメリカと東南アジアは、もはや単なる新興市場ではなく、デジタル金融、貿易、経済協力の未来を形作る存在となっています。」と、Valor Capitalのエマージング・テック担当ディレクターのBruno Batavia氏は述べています。同氏によれば、これらの地域の潜在能力を最大限に引き出すためには、規制の近代化、地域的パートナーシップ、金融イノベーションを論点にしていく必要があります。「これらの地域が過去からの金融上の制約を克服しグローバル経済において統合されたプレーヤーとして台頭できるかどうかを決定する上で、今後10年間は極めて重要になるでしょう。」
中小企業(SME)はこれらの経済の基盤を担っているものの、ラテンアメリカでは資金需要の87%が満たさておらず、1兆4,000億ドルの資金ギャップが生じています。東南アジアでは、中小零細企業(MSME)の51%が金融サービスへのアクセスに困難を抱えており、2,720億ドルの赤字が生じています。依然として時代遅れの信用評価モデルやマニュアルプロセスに依存している従来の銀行システムは、需要の増加に対応できず、何百万もの企業の成長を妨げています。
「この報告書は、これらの地域が持つ計り知れないポテンシャルを活用しようとするステークホルダーにとって重要な指針となります。クレディセゾンは2023年からブラジルに参入し、東南アジアでは10年以上の実績があり、プライベートクレジットとベンチャーキャピタルを通じて投融資の両面からフィンテック企業や起業家を支援できるという独自の強みを持っています。日本での長きにわたるビジネスを活かした、グローバルマーケットでの事業経験を通して、パートナーシップと知識の共有が、現地特有の事情の理解と適応、市場で成功するための戦略を構築することにおいては不可欠であることを実感しています。クレディセゾンは、常にパートナーとの成功に価値を置いています。私たちは両地域での活動を深め、持続可能な成長への道を共同で切り開くことを楽しみにしています。」と、クレディセゾンのコーポレートベンチャーキャピタルであるSaison Capitalのパートナー、Qin En Looi氏は述べています。
国境を越えた決済は、もう一つの大きな課題となっています。両地域における送金手数料は平均6.1%であり、これは国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標値である3%の2倍以上です。これは消費者にとって年間70億ドルもの負担となっており、可処分所得の減少や金融の流動性の低下を招いています。さらに国際送金の決済には最大5営業日かかる場合もあり、グローバルな貿易ネットワークの効率性を損なっています。
変革を牽引するベンチャーキャピタルとフィンテック
これらの課題に対応して、フィンテック分野のイノベーションとベンチャーキャピタル投資の増加が金融業界を変革しています。東南アジアでは2021年に151のベンチャーキャピタルファンドが新たに設立されており、ラテンアメリカでは2019年に69のファンドが設立されたのがピークでしたが、これらは投資家からの強い信頼を示しています。東南アジアでは資金調達ラウンドの総数がほぼ倍増し、ラテンアメリカでは投資総額が8.7倍に増加するなど金融エコシステムが急速に進化しています。
このような資本の流入は、フィンテック分野における大規模な買収につながり、世界の投資家に対しこの地域の魅力を高めています。注目すべき事例としては、Visaによるブラジルのフィンテック企業Pismoの10億ドルでの買収、TikTokによるインドネシアのTokopediaへの15億ドルの投資、PropertyGuruによる東南アジアでの11億ドルの買収などがあります。これらの取引は金融インフラへの投資額の増加を浮き彫りにしています。
「ブラジルはフィンテックのイノベーションで世界をリードしているが、金融取引に100以上の取引コードが必要という、世界で最も複雑な通貨交換システムの一つを持っているため、それが業務効率の低下を招いています。メキシコでは国内のデットファンドの不足により、フィンテックスタートアップはエクイティによる資金調達に頼らざるを得ず、これが成長を妨げています。」と、Valor Capitalのエマージング・テック担当ディレクターであるBruno Batavia氏は説明しています。
ブロックチェーンとトークン化:1,400兆ドルの可能性
従来の金融が依然として障壁の低減に苦戦する一方で、ブロックチェーン技術はラテンアメリカと東南アジアにおける経済変革の重要な推進力として台頭しています。ブロックチェーンの普及率はそれぞれの地域において19.8%、27.3%と高い水準にあり、これらの地域は金融サービスにブロックチェーンを応用する最前線に立っています。
2022年以降、ペソの価値が82%下落したアルゼンチンでは、消費者が金融の安定を求めてデジタル資産に目を向け、ステーブルコインの取引が10,000%以上急増しています。
「ブロックチェーンは金融市場のインフラを再定義しており、決済、貿易金融、資産のトークン化において推定3.2兆ドルの影響をもたらすとされています。基盤技術として、ブロックチェーンは複数の課題に対処し、取引をよりスマートに、迅速に、安全に、そして透明にすることができ、最終的にはより包括的で信頼性のある金融エコシステムへの道を切り開くことができます。」と、Qin En Looi氏は付け加えました。
ブロックチェーンを基盤とした政府主導の取り組みが注目を集めています。特筆的な例としては、カナダ銀行およびイングランド銀行との提携により立ち上げられたシンガポールのUbinプロジェクトであり、これは銀行間取引および貿易金融ソリューションの先駆けとなっています。ブラジルでは、Drexが中央銀行デジタル通貨(CBDC)のリーダーとしての地位を確立しており、Pixのシステムを超えたデジタル決済インフラを拡大しています。
インドネシアもまた、経済の再構築を進めるためにブロックチェーンを採用しています。IDXCarbonイニシアチブは、カーボンクレジットのトークン化を推進しており、これにより2030年までに880億ドル相当の市場機会が生まれ、推定3億ドルの効率化によるコスト削減が見込まれています。
Valor Capital Groupについて
2011年に設立され、ニューヨーク、シリコンバレー、リオデジャネイロ、サンパウロ、メキシコシティに拠点を置くValor Capitalは、「クロスボーダー」戦略を掲げる先駆的なベンチャーキャピタルおよびグロースエクイティのファンド運用会社であり、米国とラテンアメリカの技術市場間の架け橋となることを目指しています。そのファンドは、初期段階のスタートアップから成長段階の企業まで、変革的なビジネスに投資しています。Valorは、ポートフォリオ企業の成功に尽力し、資本、運営支援、およびグローバルなつながりを提供しています。詳細については、valorcapitalgroup.comをご覧ください。
Credit Saison Brazilについて
2023年に設立されたCredit Saison Brazil(CSBR)は、人々とパートナー、そしてテクノロジーを結びつけ、ポジティブな影響をもたらすためのレジリエントで革新的な金融ソリューションを創造することをミッションとする金融会社です。
CSBRは、ブラジルの革新者と起業家をクレジットと株式投資の両面で包括的に支援し、機会を創出し、夢を実現する変革的なパートナーとなることに尽力しています。
CSBRは、日本に本社を置く株式会社クレディセゾン、シンガポールに国際統括本部を置くSaison Internationalの子会社で、融資とコーポレートベンチャーキャピタルを主要事業としています。1951年に設立された株式会社クレディセゾンは、70年以上の歴史を持つノンバンク金融会社の一つであり、東京証券取引所にプライム上場しています。クレディセゾンは、クレジットカード発行会社から、決済、リース、金融、不動産など、多角的な金融サービスを提供する企業へと発展してきました。
現在までにインド、インドネシア、シンガポール、ブラジル、メキシコ等へ進出しており、国外では1,500人以上の従業員を擁しています。CREDIT SAISON Investor Relations
Saison Capitalについて
Saison Capital(saisoncapital.com)は、新興市場に焦点を当てた初期段階のベンチャーキャピタルファンド(プレシードからシリーズB)です。同社はプレシードまたはシード段階の意欲的な創業者を支援し、web3、フィンテック、コマースに重点を置いています。
アジア太平洋地域を拠点としながらも世界中の国を視野に入れて資本を投じているSaison Capitalは、シンガポール、インドネシア、インド、ベトナム、タイ、フィリピン、カンボジア、日本、ブラジル、メキシコといった主要な市場において、クレディセゾンの幅広い金融サービスの運営実績とリソースを活用しています。Saison Capitalは、株式会社クレディセゾンの完全子会社です。
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データ提供 PR TIMES
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