最近、アメリカのトランプ大統領の影に隠れているような北朝鮮。しかしウラではアメリカと激しい応酬が繰り広げられていました。
“異例”日本に4機のB-1Bが展開
4月15日に韓国上空で行われたアメリカ空軍と韓国空軍の共同訓練。アメリカのB-1B爆撃機2機が参加しました。

訓練を受けて、北朝鮮国防省が「アメリカの無謀な武力示威」とする談話を発表。「B-1Bは軍事的緊張を一方的に高める」として、名指しで批判しました。
アメリカ空軍の爆撃機の中で、もっとも多くの爆弾やミサイルが搭載できるB-1B。

能勢伸之フジテレビ特別解説委員:
例えば、射程1000㎞以上のミサイルJASSM-ERなら、性能的には韓国周辺から北朝鮮全域に届く。それを最大24発搭載することができます。このミサイルで対空システムを破壊してから低空で敵の領空に侵入すれば、スナイパーポッドという装置で標的に精確に爆弾やミサイルを照準できます。スナイパーポッドで敵の核施設や潜水艦施設をピンポイント爆撃できるかもしれません。

米韓訓練を終えたB-1B爆撃機2機は、青森県の三沢基地に着陸。その後、FNNのカメラでさらに2機の飛来を確認しました。
日本に4機のB-1Bが展開するのは極めて異例なことで、北朝鮮の朝鮮中央通信は26日、「悪名の高い“死の白鳥”が日本に巣くった」と再び批判しました。
アメリカが“見せる抑止”に動いたワケは…
北朝鮮の金正恩総書記は、2025年に入って、核兵器の生産に欠かせないウラン濃縮装置がずらりと並ぶ施設を視察。

3月には、北朝鮮メディアが「金正恩総書記は、原子力戦略誘導弾潜水艦の建造実態も現地で確かめた」と報道した。
また、金総書記の妹、与正氏は4月、北朝鮮の非核化を否定しました。

能勢伸之フジテレビ特別解説委員:
ほぼ無限の航続距離をもつ原子力潜水艦に戦略ミサイルを搭載してアメリカに接近できれば、「アメリカの安全保障にも深刻な否定的結果」を与えられる。北朝鮮はそう考えているかもしれません。北朝鮮の度重なる挑発が、アメリカのB-1B4機の派遣を招いたのでしょう。

さらに、横浜で整備を受けていたアメリカ海軍の動く基地、ミゲルキースが、本格稼働に向け始動しました。ヘリコプターやオスプレイ用の甲板があり、その下からは高速ボートの上げ下ろしが可能。爆撃目標の探索も行う特殊部隊を敵地に送り込むこともできるとみられます。

能勢伸之フジテレビ特別解説委員:
アメリカ軍の抑止態勢が強化される中、北朝鮮メディアは26日、新型駆逐艦チェヒョンが進水したと伝えました。ミサイル垂直発射装置を備え、特に対空ミサイルを連射できると見られるチェヒョンで爆撃機などの北朝鮮への接近を洋上で阻止したいのかもしれません。
米朝のつばぜり合いはまだ続きそうです。
(「イット!」4月27日放送より)