海上自衛隊のもがみ型護衛艦「くまの」が23日、報道公開された。

もがみ型護衛艦の一番の特徴は省人化だ。
従来の護衛艦は約160人で運用されているが、約2分の1の約90人で運用できるという。
そして、省人化とコンパクト化を実現するために、さまざまな工夫がされている。

まず、一元化されたCIC(戦闘指揮所)。
従来型の護衛艦は、戦闘の管制に使う武器システムと、運行・操舵などの艦船システムが分散されていた。

もがみ型護衛艦は、新たに設置された回転型カメラなどやセンサーにより、CICで情報を集約し、遠隔での管制と監視を行うことが可能となり、10人ほどで運用できる。

また、隊員全員が生体センサーをつけることにより、隊員の位置情報や隊員の脈などの情報がわかり、人員把握ができるという。

さらに艦橋では、電子海図表示情報システム(ECDIS)が搭載され、直接、海図に記入する運行補佐が不要になった。これで通常艦橋に配置される要員が7~8人のところ、4人のみで運用できるようになった。

2番目の特徴には、ステルス性の向上がある。
レーダー探知を防ぐために、全体構造と上部構造はレーダーの反射面積を最小減に抑える設計になっている。実際に見てみると、ほかの護衛艦に比べて、凹凸がほとんどない印象だ。

そして、7つのアンテナを1つに統合した「ユニコーン」が搭載され、レーダーの反射断面の面積を少なくすることで、敵のレーダーに探知されにくくなっている。

3番目の特徴は、護衛艦としては初めて、海中に敷設された機雷や不発爆弾などを捜索して除去する掃海能力を持ったことだ。
機雷を捜索・探知することができる水中無人機などが搭載されている。
通常の護衛艦の対水上戦・対潜戦・対空戦の能力に加えて、対機雷戦能力が加わり、多様な対応が可能となった。