自治体や住民による最大限の警戒が続く中、10日も各地でクマによる被害が出ています。
専門家も警鐘を鳴らしています。

全国各地でクマ被害が止まりません。

現場に急行してきた警察車両。
木の上にいたのはクマです。

10日午前、クマが現れたのは人気の観光地・黒部ダムから近い長野・大町市にある温泉郷。
警察などが取り囲み、緊張が走っていました。

結局、クマは吹き矢で麻酔を打ち眠らせ、捕獲しました。

銃声が鳴り響いたのは富山・砺波市の住宅街。

10日朝、住宅の敷地内にクマが出没し、そのまま納屋に居座りました。

クマは緊急銃猟により駆除されました。

さらに山形・酒田市では、神社の近くに親子とみられるクマが3頭現れ、緊急銃猟によって地元の猟友会が発砲、駆除されました。

一方、負傷者が出たのは秋田・鹿角市。
88歳の男性が道路を歩いていたところクマに襲われ、頭などをひっかかれるなどけがをしました。

また福島市でクマが狙ったのは干し柿でした。
腹をすかせているのか猛ダッシュで住宅の庭に侵入するクマ。

立ちながら庭にあった干し柿を食べ始めました。
つるされていた干し柿は全て食べられ、ひもしか残っていませんでした。

クマに干し柿を食べられた女性:
本当に数がどれくらいいるのか分からないので、安心ができないというか…。クマが襲いかかってくる危険は避けられない。

こうした出没が相次ぐ中、クマの食生活が変化していると指摘する声が上がっています。

クマの首にカメラを装着して撮影された映像では、木の実などの植物を食べているのが分かります。

そして、別のクマが食べているのは木の中にいるアリ。
さらに、シカにかみつくクマも。

2025年7月、北海道・羅臼町では、シカをくわえ山に引きずり込もうとするクマが目撃されていました。

専門家は肉食化するクマが増えてきていると話します。

岩手大農学部・山内貴義准教授:
シカとかイノシシの捕獲がいろんなところで大量に行われていて、わなにひっかかり動けなくなったシカを襲って食べたりする事例が増えている。