最新の冷凍技術をテーマにしたマッチングイベントに、食品業界を中心とした約150社が参加した。鮮度が命とされる食品も高品質を保ったまま冷凍でき、業務効率化の動きが加速する。冷凍技術の進化によって、「時間・空間・人」の制約を乗り越える可能性が広がっている。
最新冷凍技術で寿司も“高品質維持”…海外展開の可能性広がる
最新の冷凍技術を学んで、ビジネスに活かす業界を挙げてのイベントが開催された。

上中勇樹キャスター:
今、こちらでは冷凍ビジネスのマッチングイベントが行われています。

東京・有楽町で18日、冷凍ビジネスに関わる約150社が集結するマッチングイベント「JAPAN FROZEN SUMMIT 2025」が、デイブレイクの主催で開催された。会場では名刺交換や冷凍食品の試食などが行われた。

イベントで提供されていたカツサンドは、特殊な冷凍機で急速冷凍したものだ。

あらゆる方向から冷気を当て、食品から急速に熱を奪うことで、食品へのダメージを与えず、品質を保つことができるという。
この技術を活用すれば、こんなものまで出来る。

上中キャスター:
これはすごいですね。マグロの中トロのねっとり感、そして甘さ・旨味というのを非常に感じます。シャリの感じというのもまた美味しいですね。1粒1粒がちゃんと際立っていて、粒立っているような感じがありました。

鮮度が命とされる寿司も、約40分で冷凍加工が完了する。

この日の丸技術を活かした寿司は、2025年6月からアメリカ「ミツワマーケットプレイス」で販売される予定だ。
冷凍技術が業務効率化・供給安定などの解決策に
参加した企業は、この技術を自社が抱える課題の解決につなげたい考えだ。

タカハシフーズ・増渕靖弘代表取締役社長:
(鳥インフルエンザにより)卵の安定供給が1年を通してできない。予測できないところを調整するのは、冷凍しかありません。

ダイエー・小林秀峰事業部長:
今後小売業の労働人口問題を克服するには、冷凍化というのが一つのキーになると思っております。
消費者生産者双方にとって、ウィンウィンなデータ技術の今後の展望について、デイブレイクの木下昌之代表取締役は、次のように話す。

デイブレイク・木下昌之代表取締役:
日本中心に国内でやってるんですけども、世界で勝てる日本企業、これを冷凍を通してやっていきたいです。
海老原優香キャスター:
上中さんは、飲食店で実際に導入された方にお話を伺ったそうですね。
上中キャスター:
導入した結果、仕込み作業の業務の効率化が図れたり、冷凍弁当の開発ができたり、飲食業界が抱える課題の解決と、新たな販売経路の拡大を同時に実施することができたそうです。
「時間・空間・人」制約を超えて可能性広がる
「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役の松江英夫さんに話を聞いた。
海老原優香 キャスター:
冷凍技術が、日本が持つ可能性を広げてくれそうですよね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
そうですね。一言で言うと、「時間・空間・人」の制約から解放される可能性を広げると思います。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
まず「時間」なんですが、安定供給と食品ロスの削減の効果が期待できると思います。例えば魚も、獲れた瞬間に冷凍する。そうすると、時期とかタイミングという制約を超えて、年間通して高品質なものを安定的に供給できます。
さらには、必要な時に必要なだけ食べることによって、食品のロスの削減する効果も期待できます。
海老原キャスター:
「空間」については、いかがですか。
デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
まさに空間の制約を超える、輸出の拡大が期待できると思います。日本は品質が良いものがたくさんあるんですが、鮮度を保って距離という制約を超えて、世界中に広げることができると、新興国も含めて、日本の食文化が世界空間全体に広がることを期待できます。
海老原キャスター:
そして、最後「人」についてはいかがでしょうか。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
まさに日本は、人手不足という制約を抱えてますが、省人化については技術によって可能になると一気に可能性が広がると思います。
製造の現場の中でも冷凍によって省力化ができたり、冷凍自販機のような形で、無人でも販売することができる。こうなると、省人化に拍車がかかって、可能性が広がると思います。
そういう意味で、「時間・空間・人」の制約を、冷凍技術の進化によって超えていくことよって、日本の可能性がますます広がることに期待したいと思います。
(「Live News α」4月18日放送分より)