9年前の熊本地震で2度の『震度7』の揺れに見舞われた益城町では、前震が起きた4月14日夜に犠牲者を追悼して竹灯籠に明かりがともされた。また会場では、最初の揺れがあった午後9時26分に黙とうも捧げられた。

竹灯籠に明かり灯し「あの日を忘れない」

益城町役場の隣、震災記念公園で開かれた『熊本地震4.14のつどい』。熊本県内で最後に閉鎖された益城町の木山仮設団地の住民らが開いていた追悼の集いを『復興まちづくりセンターにじいろ』が引き継ぎ、にじいろの吉海雄大さんは「熊本地震を益城町の人と継承する場をつくるために、この集いを続けている」と話す。

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会場には4月14日夜に約500本の竹灯籠が並べられ、地元の住民やボランティアが一つ一つに火をともすと、竹に書かれた復興へのメッセージが浮かび上がった。

被災後は建て直すまでテクノの商店街で床屋をしていたと話す参加者は「今も床屋をしている。生き残った人は頑張っているから〈天国〉から見守ってくださいね」と願いを込めた。

また、当時5歳だった中学生は「覚えていることは、車で過ごしたことや自衛隊の風呂に入ったり、避難所に行っても家族が多くて入れなくて大変だったこと。4月14日になると安心・安全に家で暮らせていることの大切さを考える」と話し、幼げな記憶ながら平和な日常の大切さを思い返す節目となっているようだ。

一方、熊本地震から9年がたち、インフラだけでなく心の復興が必要となっている中、町民は「心のケアを町がしてくれるからすごく住みやすい町になっている。ここ(益城)が一番」と話した。

そして最初の『震度7』の揺れが襲った午後9時26分、参加者全員で黙とうし、犠牲になった人たちへ祈りを捧げた。

(テレビ熊本)

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