その薄さ、わずか指2本分。
中国大手航空会社の激薄座席が物議を醸している。

4月10日に中国メディアが報じた記事。

中国メディアが報じた記事
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航空機内の座席を撮影した画像とともに、「“刃物のようなイス”とも“拷問イスのよう”とも呼ばれている」と紹介したのだ。

背もたれ部分の幅は3〜4cm程度

この激薄座席は、3月以降に導入が進んだという。

小さなボトルより薄い座席(中国SNSより)
小さなボトルより薄い座席(中国SNSより)

中国のSNSでは、「中国南方航空名物の超薄型シートに座りました。座席を測ってみたら、指2本分の幅…。小さなミネラルウォーターのボトルより薄いものでした」という投稿も。

確かに、背もたれ部分の幅は3〜4cm程度と、従来の座席ではほとんど見られない薄さとなっている。

中国メディアも、「拷問のようだった」、「座席が薄すぎて、背中の痛みを感じる」など、不快感を訴える利用客の声を交えて報道している。

“激薄座席”で年間60億円の増収

なぜ、こんな激薄座席にしたのか。

中国メディアによると、この座席を導入することで、1機あたり14〜28席を増やすことなどができるとのこと。

見込まれるプラスの収益は、年間60億円ほどになるとしている。

さらに驚くのは、この座席を導入した航空会社。
LCCなどではなく、大手航空会社の中国南方航空だという。

中国の各都市と羽田や成田、関空などを結ぶ日本便も毎日就航している航空会社なのだ。

中国南方航空のスタッフとみられる人物の投稿(中国SNSより)
中国南方航空のスタッフとみられる人物の投稿(中国SNSより)

なお、中国南方航空のスタッフとみられる人物は、自らのSNSに「シートは薄く見えますが、座り心地は良く、サポート感と包み込まれるような感覚を得られます」と、動画つきで投稿していた。

元パイロット「非常に不安を感じます」

はたしてこの激薄座席は、元パイロットの目からはどのように映るのか。

航空評論家(元パイロット)・杉江弘さん:
極めて薄いですね。座り心地は本当に悪いと思いますので、長時間のフライトは乗客にとっては本当に耐えられないような感覚になると思います。

安全性自体は担保されているようだとしながらも、杉江弘さんは「ドシン!という強い衝撃の着陸や乱気流、そういったときに、首と背中と腰(に影響が及ぶ)。これだけ(座席が)薄くて衝撃を吸収できるのか、パイロット目線から見て非常に不安を感じます」と続けた。

今後、広がっていくのかが注目される。
(「イット!」 4月14日放送より)

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