アメリカのトランプ大統領は4日9日、世界各国に対する相互関税を発動し、そのわずか半日後に一時停止した。世界を翻弄するトランプ関税に新潟県内企業も振り回されている。コメをアメリカに輸出している企業を取材した。

コメを輸出する企業「振り回されている…」

9日、世界各国に対する相互関税を発動したアメリカのトランプ大統領。5日に導入した10%の一律関税と合わせ、日本には24%が課されることに。

しかし、発動からわずか13時間後…トランプ大統領は日本を含め、アメリカに報復措置をとっていない国に対し、一律関税は維持しながらも相互関税の上乗せ分を90日間停止すると発表。世界を翻弄している。

エコ・ライス新潟 豊永有 代表
エコ・ライス新潟 豊永有 代表
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長岡市でコメの卸売りや加工などを行うエコ・ライス新潟の豊永有代表は「もう振り回されているとしか言えない。アメリカに輸出できないんじゃないかというのが率直な感想」と話す。

新潟県産米を中心に現在12か国への輸出を展開していて、3年前からアメリカ向けにも販売を始めたエコ・ライス新潟。

2025年1月にトランプ大統領が就任した際には「正直、食品関係は関税を上げるのを除外してほしい。すごく厳しい」と警戒を強めていた豊永代表だが、願いは届かず、4月5日には10%の一律関税が追加。

14%の上乗せ分は一時停止されたものの、再び発動されるのかなどその後の展開は不透明だ。

読めない関税率…「もしかしたらキャンセルされるかも」

エコ・ライス新潟では3月末にもアメリカに向け、約12トンのコメを出荷したばかりだが、このあとの到着のタイミングによってどの関税率が適用されるのか読めないという。

「結局、ここから港に出してアメリカに行くまで30日とかかかる。着いてからも(混んでいる場合)通関手続きに1カ月かかる。着いたとたんに10%が24%になっている可能性もある。向こうのバイヤーがそれで良しとしてくれるのかも分からないし、もしかしたらキャンセルすると言われるかもしれない」

相互関税が再発動する場合、アメリカからの発注が減ることを想定し、他の国へのアプローチを強化しなければならないため、早く結論を示してほしいと話す豊永代表。

「時差がある。トランプ大統領が発表する時間は寝ている時間だが、起きてしまう。寝不足になるかもしれない」

トランプ大統領の言動を注視する日々はまだ続きそうだ。

(NST新潟総合テレビ)

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