コメ不足が指摘される中、福井市内の水田では早生の「ハナエチゼン」の田植えが早くも始まりました。農家にコメを取り巻く現状を聞きました。
          
福山千奈アナウンサー:
「福井市の田んぼに来ています。こちらでは早生のハナエチゼンの田植えが朝から始まっています」
   
福井市下馬の農家・白井清志さんは、他の農家よりも早くハナエチゼンの田植えに取り組んでいます。今年は気温の高い日が続いたため苗の育ちがよく、去年よりも3日早いスタートとなりました。
  
白井さんは、2024年夏から続くコメ不足“令和の米動”について「国はインバウンド関係、人材派遣会社の労働者の分のコメは見込んでいなかったと思う。これらを含めると今の生産量では足りないことは明らか」と話します。
   
白井さんの元には、正月あたりから取引を求める業者が殺到しているということです。「例年よりもかなり多くの業者からオファーが入っている。かなりのもの。ひどいのは向こう3年まで契約させてくれという声もある。こういう状況ですから」。
 
備蓄米が県内の店舗に並ぶことについては「備蓄米の放出量は少ない。これでコメの価格が下がることは期待できない。農業者からすれば、やっとそれなりの農業経営ができるかなというところなので下がったら困る。今までは赤字経営だった。価格が下がると元の赤字経営に戻る」と話します。
  
コメ不足は今後も続くのかどうかについては「今の減反政策(生産調整)をどう考えるか。“減反”は農家の自主性に任せるということになっているので農業者も考えないといけない。自分で判断しなきゃ。国がこのくらいお願いしますという量を守っているのではコメ不足は解消できない」と危機感を口にしていました。
  
白井さんの田んぼではハナエチゼンの収穫は8月10日ごろを予定していて、来週にもコシヒカリの田植えも始めるということです。        

福井テレビ
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