富山市に春を告げる恒例「全日本チンドンコンクール」
能登半島地震の爪痕が残る中、チンドンマンが桜が満開を迎えた松川べりを練り歩き、元気を届けました。
富山に春を告げる風物詩。チンドンマンと見物客、それぞれの思いを見つめました。

今年71回目となる富山市の”全日本チンドンコンクール”
71回目の今年も県内はじめ全国各地からプロ28チーム、アマチュア18チームのチンドンマンが集まりました。

能登半島地震で遊歩道や護岸が損壊した松川。
去年、コンクールは開かれたものの、松川べりでチンドンが鳴り響くことはありませんでした。

*見物客
「去年は残念ながら地震でこの松川沿いで桜を見れなかった、今も少し柵が残っていますけど、この辺でチンドンや桜を楽しめたら」

*華乃家(大阪)ケイさん
「復活ということで桜もパッとさえて、チンドン屋もにぎにぎしく、桜と一緒にみんなを笑顔にしたい」
松川べりの桜のもとチンドンが練り歩く

コンクールが開幕した4月5日、松川の桜を楽しむ花見客の中にチンドンマンがやってきました。
*花見客
「(去年は)地震で屋台とかはあまり出ていなかったが。にぎやかで今日は天気も良いし。大変なことがあってもきっと良いことがあると思う前向きにみんな頑張れたら良いな」
*花見客
「(チンドンは)やっぱり良い。ずっと続けてもらいたい。復興してみなさんの気持ちも明るくなると良い」
*富山市の魅力を伝えるツアー
「…飴勝という人物が寄席の宣伝をしたのがチンドンの始まりです」

*ツアーを企画した 富山市民プラザ 木村優香さん
「幼いころ祖母と見たチンドンマンがすごく記憶に残っていて」
「つながってきた伝統がこれから先100年その先もつながっていけば良いなとガイドを始めた」
工夫を凝らしたパフォーマンスを披露

6日のコンクール最終日。
上位4チームによる決勝は、富山が全国に誇る名物、「ますずし」をテーマに、口上や演技が披露されました。
*(準優勝)チンドン芸能社 梨乃(東京)
「ます寿司を食べるときは開けた後、笹をめくらず木箱を裏返して蓋の上に置き、ナイフでケーキのように切ります」
「葉っぱ切らないんですか?」
「飾りじゃないのよ笹の葉、葉っ葉~♪」
(中森明菜の歌を文字って)

*(優勝)アダチ宣伝社(福岡)
「”川上”で鱒を釣りまして、わっぱに”笹義”詰めまして酢飯の香りは”高芳”で味も見た目も”吉田屋”よ。土産に担いで”庄右衛門”これが元気の”源”よ♪」
戦後、市民を元気づけようと始まったチンドン
昭和30年、戦後からの復興を歩んでいた富山市を元気づけようと、始まった全国唯一のコンクール。



戦後80年。
奏でる人…、見る人…それぞれが、「特別な思い」を抱いていました。
*地元商店
「私は戦争を知らないけれど父や母も中心部の出身なので戦後80年ということでみなさん大変だったんだなとつくづく思う」


*ベルギーから訪れた子とハイタッチ
「ベリーナイス!」
*ベルギーからの観光客
父「富山に着いてからフェスティバルがあると知って、来てみたらとても楽しい伝統的で素敵だ」


*もんた堂・小次郎さん
「小さい子どもたちが走り回って親やおじいちゃん、おばあちゃんがくっついてみんな笑顔でおられる。当たり前のことだけどすごく尊いことで、こういうものを大事にしていきたい楽しさが街にないといけない」
富山の春の風物詩。
鳴り響く「チンドン」の音色。

今年も、笑いの渦が巻き起こり、街中に元気が広がりました。