両陛下が硫黄島へ「慰霊の旅」
天皇皇后両陛下は戦後80年にあたり太平洋戦争の激戦地・硫黄島を訪問するため、羽田空港を出発された。両陛下の硫黄島訪問は初めて。

午前9時半すぎ、皇居を出発した両陛下は、午前10時過ぎに羽田空港から政府専用機で小笠原諸島の硫黄島に向かわれた。

太平洋戦争の末期、激しい地上戦で日米双方で約3万人が亡くなった硫黄島への皇室の訪問は、1994年の上皇ご夫妻以来となる約30年ぶり。

天皇陛下は誕生日の会見で「戦後80年という節目を迎え、各地で亡くなられた方々や、苦難の道を歩まれた方々に、改めて心を寄せていきたいと思っております」と話されていた。

両陛下の訪問は初めてで、慰霊碑など3カ所で花を手向けるほか、深刻な水不足の中、渇きを訴えて亡くなった人たちに水を捧げ、今夜、島を後にされる。
「人間の耐久試験」と呼ばれた激戦地
硫黄島では、猛烈な暑さと渇きの中『人間の耐久試験』と呼ばれた厳しい持久戦が1カ月余り続いた。

疎開を強制された島民や生還した人たちは、慣れない移住先で苦労を重ね、今なお、島に戻ることができないままとなっている。

今回の訪問には遺族や元島民の孫が同行し両陛下に思いを伝える場が設けられていて、島の歴史に詳しい研究者は、戦後80年の今が、慰霊の旅で記憶を直接語り継ぐ「最後の機会」だと指摘し、次のように話している

明治学院大学・石原俊教授:
陛下がそうした硫黄島民の戦後の苦労苦難というものに寄り添われる。これは慰霊と同時に島民の戦後を『慰労』するという意義深い意味合いもあるのではないか
(Live News days 4月7日放送)
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