新年度が始まった4月。暮らしに欠かせない食品や光熱費などの価格がさらに値上がりした。食品は4月1日から4225もの品目が値上がり。また、水道料金や電気料金、電車の運賃も値上がりした。値上げの主な要因は、資材や物流コストの上昇、製品の生産コストの上昇だ。消費者の不安が広がる中、夏にかけてさらなる値上げも予想されている。

値上げ前日のスーパーでは

値上げ前日、3月31日の夕方。スーパーのお酒売り場では、『4月からビールの出荷価格が値上がりする』とかかれた紙が隙間なく貼られていた。売り場には駆け込みで買いに来る人の姿が…

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買い物客:値上がりするからビールを買いに来た。晩酌は毎日する。輸送コストや色々な経費がかさむことがあるので、値上げはしょうがない。

国内大手ビールメーカー4社は、4月1日からビールやチューハイなどを5%から12%ほど値上げした。ビールは、メーカー側が商品の価格を定めずに小売業者に販売価格を一任するオープン価格での出荷のため、さらに値上がりする可能性もあるということだ。

続くコメの高騰、パックご飯も値上げに…

また、調味料や食用油、そしてコメの高騰が続く中、パックご飯の値上げも…

買い物客:年金生活をしているから、結構困る。自炊をしているので、まずはお米。

買い物客:お米が以前より非常に高い。困る。生活に関わるので困る。

食品以外の値上げも一斉に…

食品以外の値上がりもあった。まず水道、光熱費。九州電力によると、一般家庭の場合、4月使用分は3月よりも平均448円値上がりする見込みだという。理由としては、2025年1月から3月まで適用されていた政府の補助が終了するほか、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の増額があげられる。

また、宮崎市では4月1日から平均で水道料金が9.0%、下水道使用料は19.71%値上がり。一般的な3人家族の場合、上下水道料金合わせて月5390円から月6147円と、750円余り値上がりするということだ。

29年ぶりにJR九州も値上げ

JR九州の運賃も上がる。設備の維持などの安全対策や人材確保のための待遇改善を行うため、1996年以来、29年ぶりの初乗り運賃値上げとなる。具体的には初乗り運賃が3月まで170円のところ4月から200円となり、JR九州全体で普通運賃が平均14.6%引き上げられる。

また、定期運賃では「通勤定期」が平均約30%、「通学定期」が平均約16%、値上げされた。

宮崎県では普通運賃の場合、宮崎駅から宮崎空港までが360円から400円に、佐土原駅までが280円から340円に、都城駅までが950円から1090円に値上げされた。

値上げの要因は主に3つ

値上げの要因について、スーパーやビールメーカーに直接聞いた。値上げの要因は主に3つ、資材の高騰と物流コストの上昇、製品の生産コストの上昇によるものだった。売る側だけの努力ではどうにもならない状況で、小売り業者は頭を抱え、消費者は今後も上がるのかという不安を口にしていた。また、帝国データバンクによると、「夏にかけても断続的な値上げラッシュの発生が見込まれる」ということだ。

一方で、子育て世代には嬉しい変化もある。2025年度から高校授業料を実質無償化するため、高校や、高等専門学校などに通う生徒を対象に、公立高校の授業料に相当する年11万8800円が支給される。これまでは世帯年収910万円未満が支給対象の条件だったが、所得制限も撤廃された。オンラインや学校を通じて7月に申請し、数カ月後に年額分が一括支給される予定だ。

値上げの春を乗り越えても、値上げの夏が待っている。もう一度家計を見直して、備える事が必要だ。

(テレビ宮崎)

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