「国民のために働く内閣」

少し緊張した面もちで、自民党総裁室の椅子に腰を下ろした菅義偉自民党新総裁。

記者:
椅子の座り心地はどうですか?

菅義偉新総裁:
あまりにも良すぎて、落ち着かない。

14日に行われた自民党総裁選で、大差をつけ新総裁に選出された菅氏。

安倍晋三首相:
自民党総裁のバトンを、菅義偉新総裁に渡します。令和時代に最もふさわしい自民党の新総裁ではないでしょうか。

安倍晋三首相

14日午後6時から始まった記者会見では、冒頭で改革への意気込みを語った。

規制改革を徹底してやりたい

菅義偉新総裁:
役所の縦割り、既得権益、そして前例主義、こうしたものを打倒して、規制改革をしっかり進めていきたいと思う。そして、国民のために働く内閣をつくっていきたい。

菅氏は、「新型コロナの感染が拡大する中で、政治空白を作ってはならない。安定・安心の生活を取り戻す」などと、政権運営の決意を語った。

また、「コロナ禍で浮き彫りになったのはデジタル関係が機能しなかったこと。思い切ってデジタル庁をつくる。法改正もさっそくやっていきたい」と発言。

自民党役員、閣僚人事については・・・

菅新総裁:
規制改革、ここは徹底してやりたいと思っているので、改革意欲がある人、いろんな派閥に散らばっているので、そうした観点から登用していきたい。

一方、衆議院の早期解散については・・・

菅新総裁:
せっかく総理大臣、いや総裁に就任したわけだから仕事したいなと思っています。(新型コロナが)収束したらすぐやるというわけでもないと思う。全体を見ながら判断したいと思います。

市場の反応は・・・

三田友梨佳キャスター:
今夜は自民党新総裁の誕生に続く菅新政権についてお二人に話を聞きます。
まず、エコノミストで企業ファイナンスを研究している崔真澄さんです。

新総裁の選出を株式市場はどう受け止めているのでしょうか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
自民党総裁選で菅氏が優勢と伝わるやいなや株式市場は非常に堅調な動きでして、多くの投資家は好意的に考えていると思います。
なぜそのような反応になったのか、理由は主に3つあると思っています。

1つは、アベノミクスが進めてきた金融緩和や財政拡大の路線が変わらないことが改めて認識できたこと。

2つ目は、消費増税はまだ先とコメントしているように、経済の腰折れリスクが小さいと認識されたこと。

3つ目は、日本経済を盛り上げるために情報通信分野をより顕著に拡大していこう、活性化させていくことを目玉政策として取り上げたことがあります。

その中でも携帯電話料金の値下げにも言及していますが、参入企業を増やすことによって料金を値下げするのか、それとも法規制を強化して値下げを促すのか、注目したいところです。

三田友梨佳キャスター:
情報通信分野といえば14日の会見でデジタル庁の新設にも意欲を示していましたね。

エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
新型コロナウイルスの感染拡大の中で、行政のデジタル対応の遅れが指摘されていたことが影響していると思います。
特に省庁の横の繋がりをどう強化していくのか、さらに政策に重要なデータマネジメントをどう促していくのか注目したいです。

三田友梨佳キャスター:
縦割りの壁をどう打破するのか、政権運営の手腕が問われるところです。

省庁改革と解散総選挙

続いては、哲学者で津田塾大学教授の萱野稔人さんです。
菅新総裁は会見で省庁改革への強い意気込みを示しましたが、どうご覧になりますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
官房長官を長く務めた菅さんだからこそできる改革として最も期待したいところですね。
ただ官僚機構改革のためには新政権はとても強い求心力を持たないといけない。

改革となると、官僚も自民党内部の族議員も省庁の権限ややり方が変わってしまうということで、強い抵抗を示すことがあります。党内で菅さんは派閥を持ちませんから、そこで求心力を維持していくためには解散総選挙をできるだけ早い時期に行って選挙に勝って、選挙に強いことを示すことがどうしても必要になってきます。

三田友梨佳キャスター:
ただ、菅総裁は会見で早期の解散には否定的な見方を示しましたよね。

津田塾大学・萱野稔人教授:
まさにそこに新政権のジレンマがあると思います。

確かに菅総裁は感染拡大の収束と経済の立て直しこそが急務で、政治空白を作ってはいけないということを述べています。
しかし、菅総裁の任期は来年9月まで。もし菅さんがその後も続投して改革を進める意欲があるのならば、それまでに国民に信を問うて政権の正当性を示す必要があると思います。

今後求心力を維持するための総選挙なのか、それとも感染の収束と経済の立て直しなのか、その間のジレンマをどう解決していくのか、解散総選挙の時期にも関わりますが、そこが最大の焦点になると思います。

三田友梨佳キャスター:
解散について菅総裁は全体を見ながら判断したいとしていますが、どんな判断が待っているのでしょうか。

(「Live News α」9月14日放送分)