新潟県内の在来線としては20年ぶりとなる新駅『JR上所駅』が3月15日に開業した。開業日には一番列車を見ようと多くの人が詰めかけたほか、開業後初めての平日となった17日は高校生などが開業による効果を実感していた。新駅の開業で地域はどのように活性化するのか。20年前に開業した地域を取材した。
20年ぶりの新駅『上所駅』開業に沸く!
3月15日午前5時前、鉄道ファンや地域住民など多くの人が集まっていた上所駅。

待っていたのは、県内としては実に20年ぶりとなる在来線の新駅・上所駅に到着する一番列車だ。
地元の子どもは「上所駅ができるのが楽しみだったから来た」と話し、横浜市から来た人は「まずは電車が入ってきて止まるところ、人が乗り降りするところ、それが見たい」と期待に胸を膨らませていた。
すると午前5時すぎ、地域住民待望の一番列車が到着した。

一番列車に乗った人は「新潟駅から初乗り料金150円で行ける駅が初めて登場したので、それに乗ってきた」と記念すべき切符を見せてくれた。
一番列車が無事に到着したことにJRの職員も「まずは安全に上所駅に列車が止まって、お客様が降りられる。当たり前のことだが、まずできたことがうれしい」と胸をなでおろしていた。
高校生は“通学時間”短縮で効果実感
無人駅となる上所駅はJR越後線の新潟駅と白山駅の間に位置し、一日約4600人の利用客を見込んでいる。

これまで新潟駅や白山駅から徒歩や自転車で通っていたという新潟南高校の生徒たちは、上所駅の開業で通学時間が短縮されたことに喜びを口にしていた。
「新潟駅も白山駅も両方高校から遠かったので、ちょうどいい距離に駅ができてよかった。通学時間は20分ほど変わった」
「今まで自転車で高校まで行っていたが、すごく近くなって歩いて登校することができるようになったので便利」
20年前に駅開業の地域「別の街みたいになった」
今後の地域の活性化が期待される一方で、20年前の2005年に開業した『内野西が丘駅』はこの20年でどれほどの変貌を遂げたのか…
上所駅と同じ越後線でJR内野駅の隣に位置する無人駅の内野西が丘駅。

開業当時、この地域の自治会長を務めていた春日伯榮さんは20年間の変化について「別の街みたいになった。駅開業後、住宅数は97からスタートしたが、今では700…800ちょっと切るくらいに」と語る。
航空写真を見ると約20年で駅周辺は畑から住宅地へと変化。線路沿いに次々と住宅が建設されていったことがよく分かる。

また、駅ができたことで若い世代が増え、子どもの数も増えたと春日さんは話す。
「非常に子どもが増えてにぎやかな街になっている。西内野小学校は既存の校舎では間に合わなくて、プレハブで対応している」
子育て世代に対応しようと、駅周辺にはスーパーやドラッグストアができたほか、病院も3軒増えたという。
JR東日本・新潟支社「にぎわい創出に期待」
新駅の開業で大きく街が発展したケースもある中、すでに地価の上昇など効果が出ている上所駅の開業。

JR東日本新潟支社の白山弘子支社長は今後の利用への期待感を語った。
「4月になると、おそらく新入学生の方や新生活が始まるといった方々が増えてくると思うので、これからたくさんの方にご利用いただけるかなと期待している。新潟駅もこの一年で大きく変わってきた。そうした意味では、新潟駅を中心としたエリアのにぎわいが増していく。そうしたきっかけの一つになればと期待している」

新潟駅から1駅という利便性の高さから新潟駅を中心とするエリアのにぎわいの創出にも期待がかかる。
(NST新潟総合テレビ)