長崎市で建造された大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」が就航20年を迎えた。長崎への寄港にあわせて県民を対象にした乗船見学会が行われ、県民がクルーズ船の魅力を堪能した。クルーズ旅行の魅力は「安」と「楽」の二文字で表現できると言われる。

動く巨大リゾートホテル

ダイヤモンド・プリンセスは三菱重工長崎造船所で建造され、2004年3月に就航。総トン数は約11万6000t、全長290m、全幅37.5mの英国籍の客船だ。

「ダイヤモンド・プリンセス」長崎で建造され 就航20年を迎えた
「ダイヤモンド・プリンセス」長崎で建造され 就航20年を迎えた
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乗組員数1100人で乗客定員2706人。4000人近くが乗船する巨大な客船で、「1つの大きな街」と言っても過言ではない。スカイデッキまで含めると18階建てで、その姿はまるで「動く巨大リゾートホテル」だ。

県民から300人を超える申し込みがあった見学会
県民から300人を超える申し込みがあった見学会

県は長崎への寄港に合わせて、就航20年を記念した県民対象の乗船見学会を企画した。50人の定員に対して330人が応募するほどの人気ぶりだ。

吹き抜けのラグジュアリー空間

船内に足を踏み入れ階段を上がると…吹き抜けのラグジュアリーな空間が広がる。

5~7階が吹き抜けとなっていて 開放感あふれる空間
5~7階が吹き抜けとなっていて 開放感あふれる空間

英国籍の客船だが100人以上の日本人クルーが乗船している。あちこちに日本語表記があるので言葉のハードルはさほど高くない。行き交う乗客は外国人が多く、船旅ならではの国際交流はジェスチャーで十分可能だという。

廊下も高級感が漂う
廊下も高級感が漂う

船の旅は、移動そのものが楽しい時間となることが醍醐味だ。船の楽しみというと…

​・食事 
・娯楽~エンターテインメント 
・リラクゼーション 
・客室 
・船からの景色

移動時間が長く、暇を持て余すだろうと本をたくさん持参したものの、1行も読まずに下船したという人もいるというほど、船旅は時間が足りないくらい満喫した時を過ごせるという。

娯楽~買い物、カジノ、シアター~

出航すると楽しめるのが「ショッピング」。免税店での買い物が可能となる。

「カジノ」出航すると賭けが始まる
「カジノ」出航すると賭けが始まる

そして「カジノ」。ルーレットやスロットなどもある。

700席用意された2フロア吹き抜けの「シアター」
700席用意された2フロア吹き抜けの「シアター」

シアターは2フロア吹き抜けで700席用意。毎晩ショーが行われる。船内はバリアフリーでシアターには車いす席もある。

シアターには車いす席も完備
シアターには車いす席も完備

高齢で旅行を諦める人もクルーズ船の利用は多いということで、100歳の人も楽しんでいるという。

1周660mのデッキをウォーキングできる
1周660mのデッキをウォーキングできる

体を動かしたくなったらデッキで気分転換だ。船の周りを1周できるフロアがあり、1周660m。

屋外プールは大型スクリーンがある
屋外プールは大型スクリーンがある

全天候型の屋内プールや屋外プールもある。大型スクリーンがあって、夜は映画を楽しめる。

ビュッフェにカジュアルフード、バーなど多彩な「食」

食事も様々なスタイルが楽しめる。

広々空間でビュッフェ
広々空間でビュッフェ

広々空間で味わえるビュッフェ。大海原の景色を楽しみながらの食事は格別だろう。

バーもたくさんある!
バーもたくさんある!

様々なバーもあり、バンド演奏やダンスも楽しめる。

本格「寿司」バーもある
本格「寿司」バーもある

日本食が恋しくなったら、本格的な「寿司」を楽しめるバーもある。

プールではカジュアルフードを楽しめる
プールではカジュアルフードを楽しめる

プールの周辺にはアイスクリームやピザなどカジュアルフードを提供するコーナーがある。「本当に何でもある」と感じた。

オーシャンビューの「展望浴場」

旅の疲れを癒すには「展望浴場」だ(水着着用)。

展望浴場(パンフレットより)
展望浴場(パンフレットより)

オーシャンビューでくつろげる時間は贅沢極まりないはず。

浴場付近からの景色を独り占めできる
浴場付近からの景色を独り占めできる

船内には岩の風呂と木の風呂もあり、大人気という。(別途入場料が必要)

豊富なタイプから選べる客室

気になる部屋は1351室。そのうちスイートルームは62室。

ジュニアスイートはバルコニー付き
ジュニアスイートはバルコニー付き

この日案内されたのはジュニアスイートだ。スイートは他の部屋より広く、バルコニーもあり、バスタブ付き。

ダイヤモンドプリンセスは横浜発着で、韓国や台湾に寄港して、日本各地を巡る。10日前後の日数で20万円を切る価格帯もある。クルーズ代金に船での移動費と食事代、宿泊費や船内アクティビティなども含まれてのこの値段は「安い」と感じるのではないだろうか。(チップや飲み物代、Wi-Fi代は別途必要。要確認)

船からの景色は最高だ
船からの景色は最高だ

担当者は、行程に寄港地に立ち寄らない「終日クルージング」が入っている日が多いほど、船の旅は楽しめると話す。それだけ船内は飽きることがないというのだ。納得した。

見学会では船旅モードが高まった
見学会では船旅モードが高まった

見学会に参加した子連れの夫婦は「船内は綺麗でご飯もおいしそうだった。子供も楽しめそう。いずれ船旅を楽しんでみたい」と笑顔で語った。

クルーズ旅行の魅力は「楽」と「安」

見学会に先立ち、船旅の虜となりコミックエッセイも出している漫画家でクルーズライターくぼこまきさんが、クルーズ旅行の魅力を語った。

漫画家・ライターのくぼこまきさんの講演
漫画家・ライターのくぼこまきさんの講演

クルーズ旅行の魅力を「楽(たのしい・らく)」と「安(やすい・やすらぐ)」の2文字で表現した。「寝ている間に複数の都市を移動して、荷ほどきも乗船時の一度だけ。移動で疲れるフライトの旅に比べると、移動そのものが楽しめて、幅広い年代で満喫できるのが魅力」と語った。

船から見る長崎の景色は素敵だ
船から見る長崎の景色は素敵だ

乗船してみて、船の魅力を存分に感じたのはもちろんだが、船から見る景色がとにかく最高だった。特に長崎は海と山、歴史的な街並みが広がり、下船するとすぐに街中だ。

担当者も長崎については絶賛していて、「数ある寄港地の中でも“利便性”が最高で、『鎖国時代に栄えた歴史的な背景が今も息づいている街』と太鼓判を押した。

立ち寄る港それぞれで街の魅力を堪能でき、さらに移動中の船内でも存分に楽しめる。飽きることない船旅は思ったよりも格安。新たな旅の楽しみ方を教えてもらった気がした。

ちなみに見学会時のツアーは3月15日横浜港発。別府~宮崎~鹿児島~長崎~釜山~佐世保~三重~横浜着の10泊11日。通常価格は内側客室で292,000円~(客室のランクなどで金額が異なる)。

(テレビ長崎)

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テレビ長崎
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