任期満了に伴う福岡県知事選挙は23日、投票が行われ、現職の服部誠太郎さん(70)が2期目の当選を確実とした。

再選確実で「きょうからがスタート」
「きょうからがスタートでございます。皆さま、私と共に手を携えてこの福岡県の未来への扉を押し開いてまいりましょう」。午後8時すぎに報道各社から当選確実の速報が流れると、福岡市内の事務所に姿を見せた服部さんは支援者たちと笑顔で握手を交わし喜びを分かち合った。そして「私たちの前にはさまざまな課題が横たわっております。真っ正面からぶつかっていってそしてこれを乗り越えて、福岡県の飛躍、発展を導き出してまいります」と2期目の抱負を語った。
任期満了に伴う今回の知事選には合わせて4人が立候補し、ワンヘルス事業をはじめ1期目の服部県政の継続か刷新かが主な争点となった。

投票は午後8時に締め切られ、午後9時現在、開票作業が進められているが、自民・立憲・国民など5つの政党から推薦を受け、選挙戦を終始リードした服部さんが当選を確実にした。

推定投票率は31.34%
前回2021年の投票率は過去最低の29.61%。今回も投票率の低下が懸念され、午後7時半時点の投票率は17.48パーセントと、前回の同じ時間を1.34ポイント下回った一方で、22日までの期日前の投票者数は53万5627人と前回を約14万人上回り、県選管は午後9時前、推定投票率は31.34%と発表した。
初の「生え抜き知事」2期目へ
服部さんは北九州市出身で中央大学を卒業後、県庁に入庁し財政課長や福祉労働部長などを歴任し、2011年から約9年半副知事を務めた。
そして前知事の辞職に伴う4年前の知事選で、自民党や立憲民主党などから推薦を受け、福岡県では初となる県職員からの生え抜き知事として初当選を果たした。

今回の選挙では、新型コロナ対策や200件を超える企業誘致などを1期目の実績として訴え、オール与党とも言われる盤石の支援態勢のもと選挙戦を展開した。
告示当日も街頭では「物価を上回る賃金の上昇、これはまだ成し得ていません。少子高齢化と人口減少による地方の疲弊。さらに災害からの復旧復興も道半ばであります」と県民に呼びかけ、2期目の公約として若者などの人材育成、産業支援、安全安心なまちづくりの3つの柱を掲げた。

これに対し、共産党の支持を受けた弁護士の吉田幸一郎さんのほか、政治団体代表でシンガーソングライターの新藤伸夫さん、YouTubeだけで選挙活動を行った藤丸貴裕さんの新人3人も立候補。吉田さんは「100億円超えのワンヘルス事業、これは今やるべきものじゃない。県税を使ってまでやるものではありません」と服部県政の刷新を訴えた。

新人3人は服部さんが欠席する中で公開討論会も開催したが支持は広がらず、服部県政の継続を民意が選んだ形となった。
※午後7時30現在の投票率について、放送後に県選管から修正があったため本文の記載を変更しました。
