独自取材でニュースを深堀りするコーナー「シンソウ」。玉野市のゴルフ場にイノシシが住み着き、コースが荒らされる被害が相次いでいます。現場を取材しました。

(玉野ゴルフ倶楽部 長峰和宏支配人)
「現在、一番ひどいイノシシ被害の状況」

(長尾龍希アナウンサー)
「黒く変色している所がすべてイノシシの被害に遭った所ですか」
(玉野ゴルフ倶楽部 長峰和宏支配人)
「ラフも少し掘り返されている。プレーできるように埋め戻しているが、結構広い面積をやられた」

フェアウェイの芝生が掘り返され、黒い土が露わになっています。

(玉野ゴルフ倶楽部 長峰和宏支配人)
「最初にイノシシが入ってきて、これをやられた時は何が起こったのか分からなかった。事業として成り立たなくなるかもと思ったこともあった」

玉野市宇野にある創業64年の玉野ゴルフ倶楽部。2024年10月ごろ、4頭のイノシシが出没し、コース近くの山林に住み着きました。被害を食い止めるため、ゴルフ場では従業員が免許を取得し捕獲隊を結成。2月までに3頭の捕獲に成功し、最後の1頭が3月、仕掛けていたワナにかかりました。

迷惑イノシシとの戦いは一旦、決着を迎えましたが、イノシシの生態に詳しい専門家はこう指摘します。

(池田動物園 清水拓矢飼育係長)
「(イノシシは)生きていくためにいろいろな所を探し続ける。(ゴルフ場は)夜は人もあまりいないし、きれいな地面を掘れば虫も出てくる。水もしっかりある環境は良いのかもしれない」

今後、新たなイノシシが住み着く可能性も…。このゴルフ場では周辺の山林を管理する玉野市に対しイノシシの駆除を求めています。

(玉野ゴルフ倶楽部 長峰和宏支配人)
「市内全体でイノシシの頭数を減らして管理してほしい。対応方法を指導してほしい」

市はこれまで地元の猟友会に委託し、害獣対策を行ってきました。2024年9月には猟友会との契約を解除、今は個人で捕獲隊を結成しやすくするなど新しい制度を作るための準備を進めています。

(玉野ゴルフ倶楽部 長峰和宏支配人)
「電気柵を多用しているが、プラスでフェンスの柵を並べて設置するなど、自分たちでできる範囲で防御を強化していくしかない。きれいな状態に復旧していくので、またゴルフを楽しみに来てほしい」

これから暖かくなるにつれてイノシシの活動は活発化します。被害を拡大させないために早めの対策が求められています。

岡山放送
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