立憲民主党に所属する渡辺周 衆議院議員名義の車が1カ月以上にわたって車検や自賠責保険の期限が切れたままの状態で走行していたことがわかった。渡辺議員はこの事実を地元紙に報道されるまで公表していなかった。

職務質問で発覚も議員はタクシーで…

渡辺議員の事務所などによると、渡辺議員名義で所有する車は2024年9月27日に車検が切れ、また自賠責保険の期限が切れた後も県内で走行を続けていたという。

立憲民主党・渡辺周 衆議院議員
立憲民主党・渡辺周 衆議院議員
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発覚したのは同年11月。

直前に行われた衆議院議員選挙のあいさつ回りのため、秘書が渡辺議員を乗せて当該車両を運転中、伊豆市内で右往左往していたことから警察官が職務質問し、車検切れや保険切れの事実が明らかになったという。

この際、渡辺議員は別の予定があったため、秘書に対して誠実に対応するよう言い残し、自身はタクシーを呼んで現場から離れたそうだ。

その後、秘書は車両の登録・届け出・検査などについて定める道路運送車両法と自動車損害賠償保障法に違反した疑いで書類送検されている。

車検切れを認識していなかった“理由”

事務所側の説明では「車検案内の通知は来ていたと思うが、当時は秋の選挙想定で夏から準備で慌ただしく、紛失したのか通知の存在を見ていなかった」とのことで、選挙期間中も当該車両を渡辺議員の送迎に使用していた。

渡辺周 衆議院議員の事務所
渡辺周 衆議院議員の事務所

取材に対して、渡辺議員は事務所を通じて「個々のことまで把握していなかった私を含め、事務所全員が認識を改め管理責任と法令厳守を徹底する」とコメントした上で「私自身がハンドルを握ることはなかった」と述べている。

渡辺議員の説明責任は?

一方で、この事実は2025年3月15日に地元紙が報じるまで渡辺議員から公表されてこなかった。

折しも渡辺議員は選挙戦を通じて自民党の裏金問題を厳しく追及。

誠実な政治の実現を訴え、現在は衆議院の政治改革特別委員会の委員長を務めている。

渡辺周 議員のキャッチフレーズ「正論健在」
渡辺周 議員のキャッチフレーズ「正論健在」

さらに、同様の問題をめぐっては4年前、元外務副大臣で自民党の武井俊輔 元衆議院議員(当時は現職)の所有する車が自転車と衝突事故を起こした際に車検切れと保険切れが発覚し、その後の捜査で不起訴にこそなったものの同乗していた武井元議員も道路運送車両法違反と自動車損害賠償保障法違反の疑いで書類送検され、与野党から厳しい声が続出。

立憲民主党の西村智奈美 幹事長(当時)も有権者や国民への説明責任を主張していた。

それだけに無車検・無保険が発覚した後の渡辺議員の対応が適切だったのか問われている。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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