春は入学や就職、あるいは転勤など多くの人が新たな生活をスタートさせる時期だ。そこで慣れない土地でも安心安全なひとり暮らしができるよう、現役の警察官に物件を選ぶ際の注意点を聞いた。
防犯のプロがアドバイス

静岡市清水区にある集合住宅。
この建物を例にひとり暮らしを安全に送るためにはどういった点に注意・着目すべきかを清水警察署 生活安全課・鈴木武 課長に聞いた。
すると早速、鈴木課長の目に留まったのが駐輪場だ。
「この駐輪場、センサーライトが付いている」
人を感知して照らすセンサーライトは、急に明るくなるため犯罪者が驚き怖気づいて犯行を断念するケースも多く、犯罪抑止の効果が期待できるそうだ。
続いて建物の方に目をやり、防犯カメラを見つけると「映し出されることを犯人は嫌うので、やはり防犯カメラは役に立つ」と話した。
また、窓が道路側に面した物件は人目を気にしなければいけないため、外からの侵入防止につながるという。
続いては建物の出入り口をチェック。

建物の出入り口(玄関)はオートロックになっていて、鈴木課長は「オートロックはすぐに入れない。誰か中にいる人が開けてくれないと外からの侵入は難しいので防犯上非常に良い」と解説した。
また、近年は宅配業者を装った強盗事件も起きているため、宅配ボックスも犯罪者の侵入を防ぐという意味で有効な手段の1つとなるそうだ。
部屋の鍵に注意を

続いては部屋の鍵を確認。この部屋はカード―キーになっている。
カードキーは複製できないため通常のカギに比べ防犯上のメリットがあると言い、さらに内鍵にも大切なポイントが隠されていた。

「ここは下の鍵が“サムターン回し”できないようになっている」
“サムターン回し”とはドアの外側から細い器具などを使って内鍵を回転させる侵入手口の1つ。
最近ではつまみに付いているスイッチを押さないと内鍵を回すことができない商品も多く、こうした鍵は「防犯性に優れている」と話す。
部屋の中の注意点は

また、インターホンは玄関先に来た人を確認できるため、不用意にドアを開けてしまうことを防げる防犯上必須ともいえるものだ。
一方、この部屋はガラス窓にも工夫が施されていた。それが2重ガラスだ。
加えて、万が一、鍵を壊されてしまった場合でも補助の鍵があれば不審者侵入のリスクを抑えることができる。
補助の鍵は仮に備え付けられていない場合でもホームセンターなどで購入して簡単に設置可能だ。

ほかにも鈴木課長は窓を開けるとアラームが鳴る防犯グッズや窓ガラスの強度を高めるフィルム、センサーチャイムアラームという玄関先などに置いて侵入者がいた場合に音が鳴る防犯グッズを使うことを勧めた。

鈴木課長は「発生してからではなく起きる前に自分でできること、安全安心を自分で守るためにも油断せずできる対策をやっていくことが大事」と話す。
ひとり暮らしでも不安を感じることのない生活を送るためにも、物件選びは妥協せず、必要な防犯対策を施していくことが重要だと言えそうだ。
(テレビ静岡)