政府備蓄米の条件付き売り渡しの落札をめぐり、江藤農水相は14日午後、初回15万トン分の平均落札価格などの入札結果を明らかにした。専門家は「約95%落札ということで、まずまず成功。価格については非常に妥当な水準」と分析する。
創業50年以上続いたライス大盛り無料サービスが…
価格の高騰が続く米を巡り、14日午後、大きな動きがあった。

農水省は午後5時過ぎ、備蓄米の放出を巡り、初回15万トン分の平均落札価格などの入札結果を明らかにした。
はたして米の価格に変化はあるのか。
米の価格高騰の影響は、学生の街・西早稲田のハンバーグ店にも及んでいた。

デミグラスソースがたっぷりかかった牛肉100%の手ごねハンバーグの横にあるのは、香り高く光り輝くご飯だが、このお店「キッチン谷沢」では、創業50年以上にわたりサービスで提供してきたご飯の大盛りをやめ、料金を取るようにしたのだという。

キッチン谷沢・谷澤允生さん:
お米ぐらいはいっぱい食べていただこうとサービスしてたんですけど、耐えられないって感じですね。なんかすごくイヤだった、今までサービスだったのが100円いただきますっていうのがすごくイヤだったんですけど、これはもう商売的に仕方がないことで、やってらんないよみたいな。
大学生:
前回は大盛りにしたが、大盛り有料なの知ってたので。(大盛り)無料になれば学生もうれしい。
卸売業者への1月販売価格より60kgあたり約4000円安く落札
こうした中、農水省が14日午後に備蓄米の落札価格を発表した。

江藤農水相:
落札数量は14万1796トンであります。落札率は94.2%となりました。落札価格の加重平均の結果ですが、60kgあたり税抜きで2万1217円。

備蓄米は、卸売業者などへの1月の米の販売価格よりも、4000円ほど安く落札された。
現在、5kg3000円台後半から4000円台前半で米を販売している東京・足立区の「スーパーさんよう」の客は「(備蓄米)早く出てきてほしい。多少安くなるのではと思う」「(備蓄米が)消費者の手元に来るまでは、どれくらい安くなるのか全然分からない。気持ちはもう不安しかない」と語った。

「スーパーさんよう」の担当者・阿部芳邦さんは、備蓄米が放出されても価格の低下は期待できないと話す。
スーパーさんよう・阿部芳邦さん:
備蓄米が出てきても、お米は(価格が)下がることはまずないだろうと、お米屋さんからも言われている。値下がりしてもらうのは良いが、その様子はなさそう。
専門家「まずまず成功…価格は非常に妥当な水準」
今回落札された量や価格は、今後、店頭に並ぶ米の価格にどのような影響を与えるのか。

米の流通に詳しい宇都宮大学の小川真如准教授は「今回の入札について、成功であったと評価しています。落札された量は約14万2000トンということで、15万トン全量の落札にはつながらなかったが、約95%落札ということで、まずまず成功だったとみている。価格については約2万1000円ということで、非常に妥当な水準。オークション方式なので、入札の段階で価格の高騰が起きるのではないかと不安の声もありましたが、そういった不安も払拭できる結果」と分析する。

政府はさらに備蓄米を放出する方針で、米の値段の変動に注目が集まる。
(「イット!」 3月14日放送より)