「太陽の塔」やアポロ12号が持ち帰った「月の石」。

多くの日本人が興奮した1970年大阪開催の「日本万国博覧会」から55年…。大阪・関西万博の開幕まで、残り1カ月となりました。

3月10日には、全長150mに及ぶ最大規模のパビリオン「未来の都市」が完成。
全15種類のアトラクションを通じて、地球や社会が抱える様々な課題と解決に向けた未来の技術を知ることができます。

しかし、建設が完了している海外パビリオンはいまだ2割弱にとどまり、万博のシンボルとなる「大屋根リング」で、海に面している部分の護岸の一部が600mにわたり崩れているのが見つかるなど、問題は山積みです。

中でも注目されているのは、前売りチケットの販売状況。
吉村洋文大阪府知事はこの件について…。

大阪府 吉村洋文知事:
チケットの低迷とは言われるんですけども、目標は1400万枚という非常に高いところにありますけれども、(販売数)800万枚まできていますので。

実際に街で「大阪・関西万博に行く予定はありますか?」と調査を行ったところ…。
「人生で見たことないものだったら行ってみたい」「過去の大阪万博も行ったのでぜひ行きたい」という人がいる一方で、「思ったよりお金がかかるようになったので、イメージが良くない」「食べ物や入場料も高いって聞いた」と、行くことをためらっている人も少なくありません。

番組の調査では、「行きたい・行く予定」の人が、26人、「行く予定はない」という人が、74人という結果となりました。
「めざまし8」では、1970年の大阪万博以来、世界48の博覧会に参加した、万博マニアでEXPOサポーターズでもある藤井秀雄さんに、大阪・関西万博の“魅力”を聞きました。
最新技術に期待…万博の魅力とは?
まだまだ問題は山積みの大阪・関西万博。「めざまし8」のコメンテーターでもある社会学者の古市憲寿氏からは、厳しい発言も…。

古市憲寿氏:
USJに行った方が絶対に楽しいじゃないですか。突貫工事でつくったような万博と比べて、USJのずっと10年くらい頑張ってつくってきた施設の方がはるかに楽しいわけで、万博行く意味あるのかなって思っちゃいましたね。

MC谷原章介:
USJは…「常設展」です。万博は「企画展」なのです。この半年しか楽しめない!
古市憲寿氏:
それがやはりもったいない、この時代にね。半年しかないものをわざわざお金をかけてつくって壊しちゃうっていうのが本当に時代に合ってない。

実際に、万博に行きたいと考えている人たちに、どんな点が気になっているか聞いてみると、「新しいロボットがどんな動きをするのか」「最新技術を見たい」と“新しいもの”に大きな注目が集まっているようです。
大阪・関西万博にはこんな最新技術が見られるパビリオンがあります。
▼iPS心臓(パソナグループパビリオン)
iPS細胞やiPS心筋シートの技術を活用し、生きた細胞により心臓を作製。培養液中で「iPS心臓」が実際に拍動する様子を展示予定です。

エグゼクティブプロデューサーである澤芳樹氏は、「iPS細胞をもとにした心臓の立体モデルを動態展示する試みは、世界でも初めて。再生医療技術の可能性と共に、見る人すべてに『いのち』の尊さや感動が感じられる展示を目指している」とコメントしています。
▼ミライ人間洗濯機(大阪ヘルスケアパビリオン)
1970年の大阪万博でも注目された、全自動バスカプセル。
この“人間洗濯機”が、半世紀の時を経て、新しくなって帰ってきます!

そんな、シン・人間洗濯機とも言える「ミライ人間洗濯機」は、マイクロバブルで体を自動洗浄できるより進化した人間洗濯機となっており、入浴中の心拍数などを計測することで心の状態を測定しそれに合わせた映像が流れるといいます。
体だけでなく、心も洗ってくれる洗濯機に進化しているのです。

さらに、ミライ人間洗濯機の技術アドバイザーで、50年前の人間洗濯機を開発・デザインした中心メンバーである山谷英二さんに取材したところ、「現在は空気で体を洗浄し服を着たまま入れる“究極の人間洗濯機”の開発を目指す」とのことでした。
古市憲寿氏:
これ(人間洗濯機)は本当に意味があって、今、介護の分野で注目されているんです。でも、今まで実用化されなかった訳だから…今回もどうなるか分かりませんが、これが(万博の中で)一番いいんですよ。

――なんとか古市さんを行きたい気持ちにさせられないですか?
EXPOサポーターズ 藤井秀雄氏:
本当に万博って世界最大の祭りなんですよ。158カ国が1カ所に集まる、そこに行くだけでもミニ世界旅行ができるというのが、一番の魅力だと思いますし、言葉だけではなく、実際に見に行ったら本当に感動すると思いますので、ぜひ見ていただきたいなと。
(「めざまし8」3月13日放送より)