独自取材でニュースを深堀りするシンソウ。2025年の公立高校入試では、岡山県内屈指の進学校・岡山朝日高校が初めて定員割れとなり衝撃が走りました。その背景に迫ります。

県立全日制の平均競争倍率は1.04倍。少子化に伴い、募集人員を減らしているにもかかわらず、倍率は減少傾向で定員割れとなった高校は約6割、32校に及びます。その中に「岡山朝日」が含まれていたことに教育業界に衝撃が走りました。

(能開センター岡山本部高校受験部門責任者 今出晋平さん)
「ここまで倍率が下がるとは正直驚き、他の高校が魅力的なのもあるとは思うが衝撃は大きかった」

(篠原聖記者)
「難関大学への多くの進学実績を誇る、県内屈指の進学校の初の定員割れ。その背景には大きく2つのポイントがあります」

創立151年、岡山市中区の岡山朝日。かつて市内5つの公立高校で行われていた一括の試験で合格者を振り分ける総合選抜制度、いわゆる「五校制度」を採用していました。

定員割れとなったのは2014年度に現在の入試制度となってから初めて。前の年の倍率を見て志望校を決める受験生も多く、前回が1.13倍と高かったことから今回は低くなると予想されていましたが、定員割れするまで落ち込んだ要因の1つに、岡山朝日が行っている独自試験が挙げられます。

(能開センター岡山本部高校受験部門責任者 今出晋平さん)
「(1月の)2次調査から最終志願までの間に倍率が上がらなかったのは岡山朝日が独自で問題を作成しているので倍率が低いから気軽に志望を変えられるものではない」

もう1つのポイントは高校の多様化。5校のうち2校が中学からの一貫校となり中学受験がトレンドとなりつつある中、国際教育や最新のICTなどを積極的に取り入れている私立高校の人気も高まっていて、受験生の志望動機が変化していると言います。

(能開センター岡山本部高校受験部門責任者 今出晋平さん)
「岡山朝日を志願している子供たちが昨年(2024年)や一昨年と比べて学力が低いかというとそうではない。個人の好きな所を伸ばしたり、将来設計が昔から変化していることが大きい要素」

求められるのは学力だけではない学校の魅力づくり。高校入試が新たな節目を迎えています。

岡山放送
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