4日、関東地方では春の雪がピークを迎える。4日夕方から東京など関東の広い範囲で警報級の大雪になる恐れがあり、帰宅の時間帯の交通障害などに警戒が必要だ。一方、観光地でも吹雪の中、石像の前で必死に撮影する人や観光船の運休など雪の影響が各地で出始めている。イット!では過去に1cm、2cm、10cm積雪した時の被害状況を振り返る。
「痛い…」箱根ではたたきつけるような吹雪
午後3時前の東京・町田市では、雪が降り出していた。雨が少しずつパラパラと雪に変わってきていた。4日、関東地方は春の雪がピークを迎える。午後になり、空模様が急変したのが神奈川・箱根町だ。

東中健アナウンサー:
痛いですね。やはり風が強くて、この氷の粒というのが顔に当たるとかなり痛いです。痛いと感じるほどの吹雪が吹いています。

大涌谷のシンボル「黒卵の石像」前では、防寒対策をして記念撮影する人や、吹き付ける雪で白くなりながら、バスを待つ多くの人の姿が見られた。吹雪きの影響で地面も真っ白になり、屋根の上にも雪が積もっている状態だ。
静岡からの観光客は「痛い…。めっちゃ耳の中に入ってくる。もう痛いです。めっちゃチクチクする」と話す。

午後2時に、気温が氷点下1.6°まで冷え込んだ芦ノ湖周辺。屋外のテントには、何本ものつららができていた。
既に各地で雪による影響が出始めている。

雪の影響で運休となった芦ノ湖の観光船の乗り場には、観光地ということもあって多くの人が集まっていた。
東京からの観光客:
(Q.海賊船を楽しみに来られた?)これも一つ。乗れないとちょっと遠回りで、時間食われるのかなというか。
また、海賊船に乗って桃源台に向かおうとしていた別の観光客は「別の交通手段でもう、行くしかないですね」と話す。
動物たちも暖をとり「コンビニ富士山」全く見えず
さらに、雪が激しく降ったのが静岡市で、大粒の雪が辺りに降り注いだ。静岡・伊東市の動物園でも、雪の影響が広がっている。

露天風呂にぬくぬくと入るカピバラにも雪が積もっている。

この冷え込みで、ワオキツネザルがストーブに手をあて身を寄せ合いながら、暖を取る様子も見られた。

春の陽気となった2月には見向きもしなかったストーブ。寒さの影響は、動物たちにも及んでいる。

山梨・富士河口湖町では、雪が舞う中でも「コンビニ富士山」の景色を求めて、外国人観光客が集まっていた。雪の影響で、富士山は見えないが、写真を撮る外国人観光客の姿が見られた。

台湾からの観光客:
富士山はここでしか見られないけど、雪はどこでもみられる。
「予防的通行止め」実施で影響は…?
東京・八王子市駅前の温度計は3℃を示し、雪が降り始めた。足早に駅へ向かう人の姿が見られました。

東京都内でも降り出した雪。警報級の大雪となる恐れがあるとして、国交省などは、午後3時半から順次、首都高や東名高速などで予防的通行止めを実施している。

国交省 道路情報管理官:
人命を最優先に、幹線道路上の大規模な車両滞留を徹底的に回避することとして、安全な通行ができなくなる前の段階で、予防的通行止めを実施いたします。

2024年2月、予防的通行止めとなった首都高速。大雪の影響で、50時間以上の通行止めが続き、物流などに大きな影響が出た。

東京都内の春の雪は過去にもあり、2024年3月には、皇居前に雪が積もり、5年前の2020年3月には、桜の花に重なるように雪が積もった。
過去にはスリップ事故や運転見合わせ相次ぐ
もし、東京都内で積雪となった場合、どのような影響が予想されるのか。

大粒の雪が降り1cmの積雪を観測した2018年には、シャーベット状の雪で路面状況が悪化し、19人がけがをしたほか、一部の鉄道で遅れが出た。

積雪が2cmになると影響は、より大きくなり、積もった雪で車のスリップ事故が多発した。

そして、警報級の大雪となった場合はどうなるのか。
2022年の1月積雪が10cmに達し、お台場のビーチは一面真っ白となった。

赤坂周辺では、緩やかな上り坂で何台もの車が立ち往生し、駆けつけた警察官が車を押して、救助する光景も見られた。

雪が積もった坂道では、自転車の転倒が相次ぎ、デリバリーピザの3輪バイクも、前に進むことができない状態になっていた。
2016年1月には、通勤通学の時間帯に積雪が6cmに達する雪が直撃し、雪でスリップしながら走る車や足元を気にしながら歩く人も見られた。

倒木などの影響で、京王線など一部の列車では運転見合わせが相次ぎ駅のホームには、人があふれていた。

4日の夕方から東京など関東の広い範囲で警報級の大雪となる恐れがあり、交通障害などに警戒が必要だ。猛烈な吹雪となった神奈川・箱根町だが、雪のピークが東京都心に迫りつつあり、帰宅時間帯から都心でも雪が積もる恐れがある。

最新の雨と雪の予想を見る、と4日午後5時ごろから雨雲がかかりはじめ午後6時ごろから雪のエリアが拡大し、5日未明まで雪が降り続き、東京23区の降雪予想は、5日の夕方までに3cmとなっている。
5日朝の通勤通学の時間帯は、雨となる予想だが4日夜に積雪した場合は、路面凍結などに注意が必要だ。
(「イット!」3月4日放送より)