ロシアによるウクライナ侵攻が始まり3年が経過。戦争は続いていて多くの命が奪われている。アメリカのトランプ大統領などによる停戦交渉の動きも見られるものの先は見通せていない。
大分県別府市にはいまでもウクライナから避難している人たちがいる。長期化する避難生活の現状や課題を取材した。
ウクライナからの避難者「戦争がこんなに長く続くとは想像が出来なかった」

「戦争がこんなに長く続くとは想像が出来なかった。 戦争が終わればすぐ帰る予定だったが いまは未来がどうなるか分からない」こう話すのはウクライナから避難し、別府市での生活を続けているローボフ・オレクサンドルさんだ。

ローボフさんは2022年の5月、家族2人と共にウクライナのへルソン市から別府市に避難してきた。
妻のオレーナさんは、別府市に来て2か月ほど経ったころ日本で難病に指定されている「多発性硬化症」と診断され、一時は、入院生活を送っていたが、現在は、美容室でのアルバイトやモデルの仕事をしながら元気に生活しているという。

一方、ローボフさんは、エンジニアとして大分市の会社で働いていた時期もあったが、体調を崩し退職。
「別府は好きなので、仕事があれば別府に住みながら働きたい。 しかし、別府では仕事が少ない。仕事が見つかれば残りたい」と話すローボフさん。
公的な生活資金の支援が 順次打ち切られている現状

避難者たちの多くが直面しているのが経済面での問題である。
生活資金の支援は日本財団が行っていて年間1人あたり100万円が給付されている。しかし期間は最長3年となっていて順次打ち切られている。
現在15世帯28人が避難生活を送っている別府市は
別府市の長野市長は2月の定例会見で「最初の段階から、最後まで、自身が帰ると決断するまでしっかりサポートするし、留まると言えば最後までサポートする」と話し、引き続き支援を続ける考えだ。

別府市は、現在行っている市営住宅の無償提供と通訳の手配に関する生活支援を打ち切ることはないとしている。
国の支援の打ち切りが心配「特に年配の方は毎日仕事ができない」
しかし、避難者たちの支援を続けてきた別府市在住でウクライナ出身の小野ヤーナさんは公的な支援の打ち切りを心配していて次のように話した。
「特に年配の方は健康状態で毎日仕事ができなくて収入が足りなくて困っている。国の支援が続けば一番いいが、頑張るしかない」

また、ヤーナさんは、避難者たちの仕事探しのサポートについて今後別府市と話を進めていきたいとも話していた。
3年が経過しても終わりが見えない避難生活。避難者たちへの継続的な支援が求められている。
(テレビ大分)