筋肉や血管、内臓、骨はすべて皮膚と同じタンパク質でできていますから、がんや心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、糖尿病、動脈硬化、骨粗しょう症、認知症などの病気を引き起こすというしくみです。

疲れは慢性的炎症のサイン

「疲れた」は、体の内側のあちこちの細胞に、慢性の炎症が起こっていることを意味します。

ところがこれらの酸化糖化反応による炎症には、痛みや腫れがありません。だから怖いのです。痛みや発熱があれば、薬を飲むなり仕事を休むなり行動に移します。

疲れを放置することで老化が進むことも(画像:イメージ)
疲れを放置することで老化が進むことも(画像:イメージ)

ところが疲れは放置されがちです。疲れを気合いでなんとかしようとするのは無理です。

行動を起こさなければ、気づかないうちに体内でじわじわ老化が促進し、病気に進行していきます。今は疲れとしてあらわれているだけなのです。

これをストップさせるのが、「牧田メソッド」です。

カロリー制限をする必要はありません。お酒をがまんする必要もありません。もちろん長時間の運動も不要です。

高血糖はすでに病気

私たち人類は、約20万年前に誕生したホモサピエンスの時代からDNAはほぼ変化していません。

ところが今、私たちの日常には糖質が溢れています。

米や小麦を食べ始めたのは、ほんの1万年前ほど。

白い砂糖が普及したのは、イギリスで起きた産業革命の頃です。これほどまで高血糖が蔓延し、糖尿病は世界中で激増し、高血糖が引き起こすがんやアルツハイマー病が右肩上がりで増えているわけは、現代の食習慣です。

現代人の高血糖は、もはや高血糖病という病気です。

高血糖病に脅かされているのは、身の周りに「糖質」が溢れているからです。

じつは、随時血糖値(空腹ではないときの血糖値)が200以上あるという状況は、糖尿病ではない人にもたびたび起きていることがわかってきました。

そのへんを歩いている人の血糖値を測ったら、糖尿病でなくても200を超える人などいくらでも発見できますよ。

『疲れの原因は糖が9割 健康診断ではみつからない不調の正体』(扶桑社)

牧田善二
糖尿病専門医。医学博士。『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)、『20万人を診察してわかった 最強の血糖値の下げ方』(KADOKAWA)など著書多数。

牧田善二
牧田善二

AGE牧田クリニック院長・医学博士。糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病の合併症の原因として注目されているAGEの測定法を世界で初めて発見。1996年より北海道大学医学部講師。2000年より久留米大学医学部教授。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニ ック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)、『20万人を診察してわかった 最強の血糖値の下げ方』(KADOKAWA)など著書多数。