源泉の水位低下が問題となっている佐賀・嬉野温泉で入湯税の増額が提案された。「泉源の保護と持続可能な観光地づくり」が目的で、宿泊客は1日100円、日帰り客は1日50円の増額となる見込みだ。
入湯税の引き上げを提案
入湯税の引き上げを提案したのは、佐賀・嬉野市の観光協会や旅館組合、それに市の職員などで組織する検討委員会。山口剛委員長が嬉野市の村上市長に報告書を手渡した(2025年2月17日)。

今回の提案を受けて嬉野市では3月議会に諮り、早ければ2025年10月に増額される予定だ。

では入湯税の増額はどれくらいになるのだろうか。
宿泊100円 日帰り50円増額へ
報告書の提案によると、入湯税は、宿泊客は1日150円から100円増額され250円に。日帰り客は1日50円から50円増額され100円になる。

この改定により2023年度に比べて年間、約4700万円の増額が見込まれている。

嬉野市の村上大祐市長は、「泉源保護や持続可能な観光地づくりのための施策として特別に使っていると、使途についてはなるべく明らかにしていきたい」と入湯税増額についての考え方を述べた。
源泉水位が過去最低の異変も
一方、嬉野温泉では源泉の水位が過去最低となる異変が起きていて問題となっている。

コロナ禍が明け、西九州新幹線の開業で観光客が増加し、湯の使用量が増えたことが背景にあるとみられているが、湯を通す管の老朽化による漏水も原因のひとつとして指摘されている。

このため、配管の修理を急ぐとともに、源泉くみ上げに上限を設け、深夜の利用を制限するなどの対策が行われている。

いまのところ源泉の水位は維持できていて、旅館やホテルの営業に大きな支障は生じていないが、持続可能な観光地づくりも今後の課題だ。
(サガテレビ)