2025年．福岡ソフトバンクホークスの春季宮崎キャンプもいよいよ終盤。現在の状況を就任2年目となる小久保裕紀監督はどう見ているのか？
最年長 柳田選手はレフト？DH？
キャンプ序盤の調整を個人に委ねた主力『S組』。小久保監督は「自分たちで調整できる選手に、その特権を与えたわけ。大所帯の組織の中で若い選手を首脳陣が見て評価する時間が要る。去年みたいに紅白戦から彼ら（主力）が出ていたら、いつ我々は若い選手たちを判断するんですか、ということ。組織としてもS組の存在は必要だった」とその目的を語った。
「S組については、ぶっちゃけ5、6年前から考えていた。たまたま城島CBOと話している時に、実力が分かっている選手を2月1日から見る必要ないよね、と。去年、監督1年目だったので、なかなか思い切ったことできなかったけど、S組は今年から導入した」。
昨シーズン終盤に右足首を痛め心配された近藤健介選手（31）は、鹿児島・徳之島で独自の調整をすませ、キャンプに合流。小久保監督は「近藤は、まあフルメニュー全部入れているし、昨日も打球捕をかなりしていたけど、打球を追っている姿は、全く心配ないと思う」と語った。
小久保監督は、チーム最年長となった柳田悠岐選手（36）の負担を軽くするため、近藤選手と柳田選手の守備位置をコンバートする方針だ。近藤選手はライト、柳田選手をレフトとDHにするという。
特に柳田選手のDHについて、現時点でのプランは「正直、レフトに入ってくる選手次第。今のところ、ほとんどDHは柳田だと思ってはいますけど、レフトに入れる選手が決め手を欠くのであれば、柳田を守らしてDH枠に誰かを使う」と語った。
「チャンスは少ないと思っている」
そのDHも含めて絡んでくると期待されるのが、リチャード選手（25）だ。師と仰ぐ同郷の山川穂高選手（33）との合同練習で変わったのか？
小久保監督は「技術的に言うとバットの出がよくなっている。すごく体から離れなくなってきているし、ただ試合に出せるポジションとなったら限られている。リチャードがレフトを守るわけにはいかないので、チャンス的には、僕は少ないと思っている。空いているポジションは限られているんで」と期待を寄せる反面、リチャード選手が置かれている現状にも言及した。
そして小久保監督、自らが聞き手に促した質問。それは…「聞きたいでしょ？キャッチャーでしょ？キャッチャーの話」。レギュラー争いがますます激しくなる中、一番、熱いのが、キャッチャー陣だ。
不動の地位を確立していた甲斐拓也捕手（32）の巨人へのFA移籍でホークスの正捕手争いは注目の的となっているのだ。
「甲斐拓也まで行け」とは言わない
『ポスト甲斐』は誰か？侍ジャパンのメンバーに選ばれた海野隆司捕手（27）。昨シーズン、キャッチャーに専念し、2軍で経験を積んだ谷川原健太捕手（27）。3年前にFAで移籍してきたベテランの嶺井博希捕手（33）。そして打撃が魅力の渡邊陸捕手（24）。横一線の戦いが続いているが、小久保監督は個人の評価はしないと語る。
「キャッチャーについてのコメントはしませんよ。だって監督のコメントって、選手は見聞きするじゃないですか。例えば、あのプレーが取り上げられて、自分のプレーは取り上げられていないとか。そんなところに神経を使うくらいなら、バチバチやり合ってもらって、結果を残して下さいってこと。選手同士で決着つけて、ファンも納得、首脳陣も納得の選手を使いますよと。そういう点では監督のコメントは邪魔になります」。
「キャッチャーは打席に立ったら打つ。そして、当たり前ですけど、ブロッキングがありスローがあり、キャッチングがあり、配球があります。でもブロッキングとスロー。それが一番、求められるところだというのは伝えています」。
「甲斐拓也というのは、ブロッキングは日本で一番だと思うんですよ。甲斐拓也がいなくなった後に、やっぱりピッチャーが安心して自分の決め球やフォークボールを２ストライク後に低めに投げられる。それはキャッチャーを信頼しているから投げられるわけですよね。それがもう、投げるたびに後ろに逸らしていたら…。ピッチャーからすると一番、去年と違うのはそこだと思うんですよ」。
「『甲斐拓也まで行け』とは言わない。でもそれに近い技術を身につけない限り、僕は、信頼関係は築けないと思うので、そこを一番に言っています」。
2024年、１回足りなかった胴上げ。2025年は「もちろん、日本一を目指して。それしか考えていません」と小久保監督は最後に締めた。
（テレビ西日本）
