広島県で開かれた陸上のインターハイ。男子100メートルに出場した星稜高校2年の清水空跳選手が10秒00で優勝。18歳未満の世界記録を塗り替えた。陸上界に現れた新たなスター清水選手とはどのような選手なのだろうか?

高校1年の時は準優勝…初優勝目指す

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7月25日から開かれている陸上のインターハイ。注目は男子100mに出場した星稜高校2年の清水空跳選手だ。

清水選手は去年、高校1年生ながら、インターハイで準優勝。今月4日に行われた国内トップ選手が集まる日本陸上では全体9位の結果を残した。

男子100メートルは暑さ対策のため準決勝がなくなり予選を勝ち抜いた24人で最も速い選手が優勝となる。

1組目でトップに立ったのは清水選手と同学年の菅野翔唯選手(東京農大第二)。清水選手の自己ベストより0.1秒以上速い10秒06を記録した。

これについて清水選手は、「1組目の菅野君が10秒06を出したというのがあって、自分がやらなきゃいけないという使命が降りてきたと思います。」と話していた。

ライバルが10秒06たたき出し「使命が降りてきた」

そして清水選手の出番が来た。3レーンが清水選手だ。

うまくスタートを切った清水。

中盤からぐんぐん伸びて後続を引き離すと、圧倒的な差でゴール。

会場から出たのはどよめきだ。

タイムは高校新記録の10秒00。インターハイ初優勝で驚愕の記録をたたき出した。

清水選手は、「決勝は自分の持ち味である二次加速につなげて後半も垂れることなくタイムを出せたと思います。10秒00という自分でも衝撃のタイムなんですけど10秒10台を乗り越えて10秒00を見ることができて本当にうれしいです。伝説を作ったのかなと思います。」と興奮していた。

これまでの高校記録は元日本記録保持者の桐生祥秀さんが持っていた10秒01。そして、18歳未満の世界記録10秒06も大幅に更新だ。

清水選手は、めちゃくちゃうれしいが、これからはプレッシャーがかかってくるとした上で、「全てのステータスをマックスに引き上げたい。」と次を見据えていた。

そして、今後の目標を聞くと「高校での9秒台スプリンターになることです。」と話していた。

18歳未満の世界記録ひっさげ200mにも

28日は男子200メートルに出場した清水選手。予選をトップで通過し、100メートルとの2冠がかかる決勝に臨む。

スタートから勢いに乗った清水選手は直線でさらに加速。

2位に圧倒的な差をつけてゴール。追い風参考記録とはなったものの20秒39は高校歴代2位相当。100メートルとの2冠を達成した。

「100m・200mで2冠を達成する」というのが目標だった清水選手。達成できたことに「本当にうれしいです」と喜んだ。

疲労感あったが「被災地に勇気や元気を」と挑んだ200m

清水選手。連日のレースで疲労感が出ていたそうで、200メートルで優勝できるかフアンだったと言う。それでも「いい姿をいろんな人に見せられたかなと思います。」と述べ、石川県民へ向けてこんなメッセージも。

清水選手:
震災があって大変なことになった地域の方もいらっしゃいますけど、今でも生活が困難な方がたくさんいると思うので、そういった方に向けての勇気だったり元気だったり少しでも力になれたらうれしいです。

ここで改めて清水選手のプロフィールを紹介する。金沢市出身で身長は164センチと決して大きくはない。

お父さんは走り高跳び、お母さんは100mハードルの選手で陸上一家。清水選手は小学4年生の時に金沢市小学生陸上教室に通い本格的に陸上に打ち込んだという。当時を知る関係者は「このときから腕と足の筋力が強く、ストライドが大きかった」と振り返る。

そして、今回の記録について。10秒00だが、小数点以下3桁まで見れば9秒995だったのだ」。

これまでの高校記録は2013年に桐生祥秀さんが出した10秒01。18歳未満の世界記録は10秒06でこちらも更新した。

そして今年9月に東京で行われる世界陸上、参加標準記録を達成し、日本代表として出場する
可能性も出てきた。

(石川テレビ)

石川テレビ
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