大阪府枚方市で2024年、当時19歳の女子大学生を殺害した罪などに問われている、無職の西光勝被告(27)の裁判員裁判で、被害者参加制度を利用した遺族が法廷に立ち、意見を述べた。
■【動画で見る】「どんなに苦しかったか胸が苦しく握りつぶされる思い」女子大生殺害事件 裁判で遺族が意見述べる
被害者の父は、「娘の今までの努力や人生を奪い 私たちが娘の成長とともに得るはずだった喜びを奪った」と訴えて、死刑を求め、検察側は懲役22年を求刑している。

■被害者を包丁で複数回刺して殺害した罪などに問われ「一切間違いありません」と起訴内容を認める
西光被告は2024年5月、大阪府枚方市のマンションで関西外国語大学2年生の渡辺華蓮さん(当時19歳)を、包丁で複数回刺して殺害した罪などに問われている。

裁判で西光被告は「一切間違いありません」と起訴内容を認めている。
■遺族の訴えに傍聴席からも涙 父「娘の今までの努力や人生を奪い、 私たちが娘の成長とともに得るはずだった喜びを奪いました」
21日は被害者参加制度を利用している遺族が、意見を述べ、被害者としての求刑をした。

被害者・渡辺華蓮さんの家族が涙ながらに意見陳述をすると、傍聴席からもすすり泣く声が聞こえた。
被害者の父:家族は一生この悲しみを背負っていきます。娘の今までの努力や人生を奪い、私たちが 娘の成長とともに得るはずだった喜びを奪いました。 あんなにたくさんの刺し傷(※腹や首などに64カ所の傷)どんなに痛かったか、苦しかったか、考えるだけで、胸が苦しくて握りつぶされる思いです。死刑を求めます。
被害者の母:華蓮は、家族のことが大好きでとっても優しい子。 目の前で死のうとする被告に、すべてを犠牲にして寄り添っていた。 あの子はただただ、信じていた人を守ろうとしていただけ。 被告には一瞬たりとも華蓮を思い出してほしくないです。
被害者の弟:華蓮が頑張っているから、僕も頑張ろうと思える目標の人だった。 被告は裁判で『やり直したい』と言っていたが、やり直せると思わないでほしい。 僕は被告を一生許しません。
■検察側「懲役22年求刑」弁護側「懲役20年が相当」
そして検察側は、「犯行は計画的で強固な殺意に基づく残忍なもの。とてつもない恐怖と苦しみを与えた上で、夢や未来、希望を一方的に奪った」などと指摘。 懲役22年を求刑した。

一方、弁護側は「被告は謝罪、贖罪(しょくざい)の気持ちを持っていて、自首も成立している」などとして、「懲役20年が相当」と主張した。
■泣きながら謝罪の言葉述べ 遺族に頭を下げ続ける
西光被告は、最後に裁判長から言いたいことがあるか聞かれると、泣きながら、 「私はどんな刑でも一切控訴せず、一生償っていきます。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

そして裁判長に「もう座ってください」と言われるまで、遺族の座る席に向かって頭を下げ続けた。
(関西テレビ 2025年2月21日)