新潟市にある地下商店街・西堀ローサ。駅に直結していない地下商店街としては全国唯一の商店街だ。しかし、西堀ローサを運営する第三セクター新潟地下開発が事業継続を断念し、会社を解散することを決め、3月末がテナントの退店期限となっている。営業終了を目前にした中古レコード店を取材した。
レトロな雰囲気漂う地下商店街 全店舗撤退へ…
西堀ローサにある中古レコード店『KINGKONG(キングコング)』。あわせて約10万枚に上るレコードやCDが販売されている。

2日後に迫った西堀ローサでの閉店を前に長井瞳店長は「ローサの閉鎖が決まってからソワソワしていた時期とようやく移転先が見つかって、いまに至る感じ」と話した。
駅に直結していない全国唯一の地下商店街の西堀ローサ。
かつては地下繁華街としてにぎわいを見せたが、経済状況などを理由に運営会社である新潟地下開発が2025年10月に解散することが決まっていて、テナントは3月末までの全店退去しなければならない。

長井店長は「この地下街自体のちょっとレトロな雰囲気を好んでくれている人も多いので、本当だったら、このままここにいてほしいという客も多い」と話す。
中古レコード店 閉店を前に多くの客「思い出ある」
この日も多くの客が訪れ、「ローサができたのが1976年、その頃に流れていた曲なので思い出がある」「中学の時から時々、学校帰りとかに来ていた。ここが終わる前にローサに来たいと思っていた」とそれぞれの思い出を語る。

30年以上前に店をオープンし、西堀ローサに移転してきてから約15年。地元のサブカルチャーのよりどころとして根付いてきた。
長井店長は「客との会話がすごく多かった。音楽の話も多かったし、ローサの中は時間がすごくゆったり流れている」と思いにふける。
テナント減っていく光景に…「少し寂しい」
客との会話もたくさん生まれた西堀ローサでの営業。
西堀ローサからテナントが順次撤退していく光景には訪れた人も「ファッション関係や飲食店もあり、できた当時は人が大勢いてごった返していた。残念でもったいない。ぜひ何かに再利用できないかなと」「少し昭和的な感じが好きでローサ自体も好きなので少し寂しい」と残念がる。

まもなく約半世紀の歴史に幕を下ろす西堀ローサ。今後の活用法はまだ決まっていない。
長井店長は話す。「生かす道をもっと一生懸命考えようよというほうが強い。いったんそのままにすると、ずっとそのままになってしまうから、できるだけ期間を空けないで新しい動きを踏んだほうがいいのではと思う」
(NST新潟総合テレビ)