2月12日、「めざまし8」の取材班が訪れたのは埼玉のイチゴの販売所。多くの人でにぎわっていました。

有名な産地と言えば、「とちおとめ」の栃木や「あまおう」がある福岡などですが、2月5日に行われた「第3回全国いちご選手権」で最高金賞を受賞したのは、“埼玉産のイチゴ”!しかも、3連覇を達成したのです。
このことを埼玉県民に聞いてみると…、

埼玉県民:
3連覇!知らなかった。
埼玉は川越でサツマイモかしかイメージないです。
埼玉県民でさえ、埼玉とイメージが結びつかない様子のイチゴですが、実は、埼玉は1960年代には作付面積で全国トップの「イチゴ王国」だったといいます。
ところが近年、他県ブランドの登場などで1位の座を譲り、人気は低迷します。しかし今、ある品種の登場で、状況が一変!
秩父市にある農園には、続々とお客さんが訪れていました。そのお目当ては…

50代男性:
自宅用と職場用で「あまりん」を3パック購入いたしました。甘くて味が濃厚だなって感じがしましたね。

――きょうは何を買う?
50代女性:
「あまりん」と「べにたま」です。
甘いです、甘くておいしいです。
埼玉県産のイチゴ。その名は、「あまりん」です。
平日にもかかわらず、3時間で約100パックが売れる人気ぶり。
こちらのイチゴ農家は、県の研究センターが生み出した「あまりん」を、初めて口にしたとき、衝撃を受けたと話します。

ただかね農園 高野宏明さん:
あまりにもおいしくて、すごいポテンシャルを持ったイチゴがこれから出てくることがわかった時に、「今までの私の努力は何だったんだろう」と…。
想像以上の甘さに、怒りさえ沸いてきたといいます。しかしその反面…
ただかね農園 高野宏明さん:
こうやって主力となってくる品種だとは思ってました。この品種を作った育成者はすごく苦労したと思います。
新品種「あまりん」…その誕生の裏には、苦悩の日々がありました。

2000年頃から観光・直売のイチゴ農園が増えた埼玉。
「観光農園のメインに位置づけられる、埼玉のオリジナル品種がほしい」との生産者の要望を受け、埼玉県農業技術センターで新品種の開発に着手しました。
苦悩の末に生まれた「あまりん」開発秘話とは?
「あまりん」を開発した、埼玉県農業技術研究センター・野菜育種担当部長の尾田秀樹さんに、お話を伺いました。

尾田さんによると、「あまりん」開発には8年かかり、一粒に甘みを凝縮できるようにと500通りもの交配を試したとのこと。たくさんイチゴを食べ過ぎて夢でもイチゴを食べていたこともあったんだとか。
埼玉県農業技術研究センター 尾田秀樹さん:
(試行錯誤の過程で)苦くなってしまったり、におい的に“焼けたゴムのような臭い”がして…、そういったような経験もありました。

元「イチゴ王国・埼玉」から日本一の品種誕生。
埼玉県産イチゴ「あまりん」の特徴を豊洲市場ドットコム青果バイヤーの八尾昌輝さんに解説していただきます。

渡辺和洋アナウンサー:
今イチゴ戦国時代と言われていて、すごい種類でどれもおいしいんですよ。
小室瑛莉子アナウンサー:
もう全部好きなんですけど、でも、「とちおとめ」はやっぱり定番ですし、あと「紅ほっぺ」とかも「スカイベリー」とかも好きです!

豊洲市場ドットコム青果バイヤー 八尾昌輝さん:
2月5日に第3回のグランプリ発表されたんですけれど、埼玉県産「あまりん」が1年目、2年目、3年目と3年連続で最高金賞受賞しています。
渡辺和洋アナウンサー:
全国から375の種類が出品されたということなんですが、これかなり増えたそうですね。
豊洲市場ドットコム青果バイヤー 八尾昌輝さん:
はい。去年から比べると倍近くエントリーが増えまして、その中でもあの2年連続「あまりん」だったところを、また「あまりん」が来たという状況です。
「あまりん」!その特徴とお味は…?
渡辺和洋アナウンサー:
ちなみにこの「あまりん」ですが、どういう味わいなんでしょうか?
豊洲市場ドットコム青果バイヤー 八尾昌輝さん:
「あまりん」はですね、非常に糖度が高くて、時に20度ぐらいまで至るという、一般的なイチゴが10度前後っていうようなかたちですね。まずは香りを嗅いでいただければわかります。甘くて濃厚な香りが…。

渡辺和洋アナウンサー:
八尾さんが高評価というこちらの「今日イチあまりん」。ただかね農園のイチゴをスタジオにご用意しました。

イチゴ大好き! 小室瑛莉子アナウンサー:
ん~!果汁があふれる!おいしいです。

MC 谷原章介:
あっまい!しっかり食感もあるし食感もあるんだけどジューシーさもあるから満足感すごくありますね。
小室瑛莉子アナウンサー:
イチゴらしい酸味も最後来て、イチゴのいいところが詰まってる感じがします。

渡辺和洋アナウンサー:
ご紹介したこの「あまりん」ですが、なかなかスーパーでは身近に見る機会がないんですが、【埼玉いちご祭】というのが開催されます。日程が2月23日・24日午前10時から午後3時まで、場所はさいたま新都心公園です。
この日に向けて、埼玉県のイチゴ農家さんの皆さんが頑張って。今集めているような状況です。ここにいけば行けばおいしい「あまりん」のほか、さまざまな埼玉イチゴが楽しめるということなんですね!
豊洲市場ドットコム青果バイヤー 八尾昌輝さん:
埼玉のイチゴ、まだまだこれからも品種開発を進めていくということで。実はですね、去年あたりから「べにたま」という、またもう1つ、注目の品種も新しく出てきておりますので、これからも埼玉のイチゴ、”おいしいイチゴといえば、埼玉“っていうのがどんどん広まっていくんじゃないかなと期待しております。
(「めざまし8」2月13日放送より)