記録的な大雪に見舞われた新潟県内で生活への影響が続いている。豪雪地域では消雪パイプなどで大量の地下水をくみ上げたことにより、地盤沈下の恐れがあるとして節水が求められている。この呼びかけに住民は困惑。地盤沈下警報の出ている地域を取材した。
豪雪地域で活躍する“消雪パイプ”
強い寒気が居座り、記録的な大雪となった新潟県内。山沿いを中心に積雪が3mを超える地点もある。

住民は「疲れがある。朝起きられなくなった。足腰が痛い」など、心身ともに疲労の色が濃くなっていた。
多くの住民が除雪作業に追われている一方で、消雪パイプから水が出ていることで、道路には雪が積もっておらず、車の通行もスムーズに。

豪雪地域に欠かせないこの消雪パイプだが、今、非常事態が起きている。
地下水くみ上げで…“地盤沈下”のおそれ
大雪が長く続き、消雪パイプの使用などによる地下水のくみ上げ量が増え、地下水位が大きく下がっているのだ。

南魚沼市の観測地点の地下水位は、今回の寒波が襲来した2月4日ごろに低下し、その後も雪が続く中、基準より20mほど低い状態が続いている。
こうした中で懸念されるのが、地盤沈下だ。

市内ではたびたび地下水のくみ上げによる地盤沈下が問題となっていて、学校では校舎と地面との間に隙間も。
市は“節水”呼びかけも…住民からは困惑の声
南魚沼市は、今回の寒波で地下水位の低下量が著しいとして“地下水位低下警報”を発令。
市民に除雪での節水を呼びかけているが、市民からは「今回のような大雪では住民は誰も動けない。地下水のおかげで除雪が何とかなっている」「節水しないといけないとは思っているが…ただ生活との兼ね合いがあるので難しい。雪は、この辺で終わってもらいたい」と切実な声が聞かれた。

上越市でも地域の地下水を管理する県が地盤沈下警報を発令していて、担当者は「いったん地盤沈下が起きると回復は困難なため節水が必要だが、今回の雪の状況下では強くは求められない」ともどかしい実情を話す。
17日ごろから再び寒気の影響で雪の量が増える予想の県内。心配な状況が続いている。
(NST新潟総合テレビ)