「浜辺の歌」で知られる作曲家・成田為三。その出身地、秋田・北秋田市で定期的にコンサートを開き、歌声を披露している合唱団がある。その名も「浜辺の歌音楽館少年少女合唱団」。2025年で没後80年を迎える成田為三の作品を歌い継ごうと活動を続ける地元の子どもたちを紹介する。

作曲家・成田為三の作品を歌い継ぐ

美しい歌声を響かせているのは、北秋田市の「浜辺の歌音楽館少年少女合唱団」。

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小学生から高校生まで17人が所属していて、週に一度、市内で練習している。

団体の名前にもある「浜辺の歌」は、旧森吉町(現北秋田市)出身の作曲家・成田為三の代表曲だ。合唱団は1988年に、成田為三の功績を伝える市内の施設「浜辺の歌音楽館」の設立に合わせて結成された。

指導者は木村静子さん。合唱団の活動目的について、木村さんは「浜辺の歌を作曲した成田為三先生の作品を歌い継ぐことと、子どもたちに歌う機会をつくること」と話す。

メンバー減少もOGがサポート

合唱団設立後まもなくして指導者となった木村さん。発足当初は30~40人が参加していたものの、少子化が進んだことでメンバーは徐々に減ってきたという。

さらに新型コロナウイルスの感染拡大という追い打ちもあり、満足に練習ができない時期もあった。

それでも合唱団のOGたちのサポートを受けながら、現在も定期的にコンサートを開くなど精力的に活動している。

小学校5年生から参加しているメンバーは「友達がやっていたので私も参加したいと思い参加した。おばあちゃんが見に来てくれると褒めてくれるのでとてもうれしい」と話す。

別のメンバーも「声出しと歌うときが楽しい。みんなが知っていると思うので『浜辺の歌』が好き」「歌っていてみんなと合わせるところが難しかったり、音程がつかめないところがあったりするので、そこを練習して頑張っている」と意欲的だ。

月に一度のコンサートで歌声披露

合唱団は月に一度、音楽館でコンサートを開き、ポップスなど様々なジャンルの歌も披露している。

練習に励む合唱団のメンバーとOG
練習に励む合唱団のメンバーとOG

指導する木村さんは「少子化で子どもが少なくなってきているが、それでも自分たちにできることをやりたい。地域に元気な歌声を届けるというのも役割だと思っているので、みんなで協力しながら歌声を届けたい」と話す。

合唱団の活動拠点「浜辺の歌音楽館」
合唱団の活動拠点「浜辺の歌音楽館」

2025年で没後80年を迎える成田為三。

合唱団は彼の作品の素晴らしさを、歌声に乗せて後世につないでいく。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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