人工知能で会話が可能な最新電動車いす

車いす:
こんにちは、ナラザキさん。きょうのご予定は胸部レントゲン撮影ですね。よろしければレントゲン受付までご案内しますので、認証番号をお聞かせください

流ちょうに話しかけてきたのは、最新の電動車いす。AI(人工知能)を搭載し、乗る人にあわせて会話が可能だ。
さらに、その会話の内容を判断して、目的地まで自動で連れて行ってくれる。

久留米工業大学インテリジェントモビリティ研究所・東大輔教授:
ご高齢や障害で移動に困難を抱えている方々、そういった方々がもっと自由に社会に飛び出して社会参画して生き生きと暮らしていただくことで、このプロジェクトをスタートしています

利用者にあわせ目的地まで自動運転も

福岡・久留米市の久留米工業大学が今、研究開発を進めているのは、電動車いすが利用者と対話しながら自動運転するシステム。
これが、ウイルスとの共存を模索する「ウィズコロナ」の時代にマッチするのではと注目されている。

ーー一番の特徴は?

久留米工業大学インテリジェントモビリティ研究所・東大輔教授:
乗っていただいているユーザーの方の個人のデータベースと連携して、医療や介護の履歴とあわせてユーザーの方の趣味とか趣向にあわせて、その日の最適な行動を提案してくれる

自動運転の車いすは、搭載された赤外線センサーなどが壁との距離を測り、現在地を確認しながらゆっくりと進む。

前方に障害物や人などを感知すると、自動的にストップする。

乗っている人の情報と連携し、次のような対話も可能だ。

利用者:
前回の検査結果を教えて?

車いす:
前回の血液検査は問題ありませんでした

病院や介護施設での感染リスク減少にも期待

活用が想定されるのは、人手不足が懸念されている病院や介護施設。
すでに現場での実証実験が始まっている。

車いすに座ったのは、患者役の看護師。すると病院の入り口から検査室まで、自動運転で連れて行ってくれる。

このシステムは当初、現場の負担を減らすための導入が考えられていたが、医療スタッフと患者の接触を大幅に避けることができるため、医療スタッフを感染から守ることにもつながると期待されている。

久留米工業大学インテリジェントモビリティ研究所・東大輔教授:
スタッフの方と接触のない状態で目的地までご案内することができるので、今の「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」の状況の中で、病院としては非常にありがたいシステムだとおっしゃっていただいています

今はまだ研究段階のこのシステム。さらに改良を加え、将来的には、車いすに搭載したスマートフォン越しに医師や看護師と対話できる遠隔診療のシステムに発展させることも目指している。

久留米工業大学インテリジェントモビリティ研究所・東大輔教授:
大学の研究で終わらせるのではなく、必ず社会実装、あるいはその手前までは必ずもっていくという強い思いでやっています。2~3年とは言わず、1~2年後には社会実装できるようなスピード感を持って頑張っていきたい

AI技術を応用し、感染リスクを減らしながら、医療や介護の担い手を支える新たなシステム。
地元の大学が進める研究開発に熱い視線が注がれている。

(テレビ西日本)