おりの中に入り、トラに直接エサやりをしたり、併設されている宿泊施設でライオンやウミガメ、ペンギンなどの横で寝ることができるなど、“日本一危険な動物園”と話題の札幌市にある動物園「ノースサファリ サッポロ」

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「ノースサファリ サッポロ」に来園したことがある人:
結構放し飼いにしていたりとか、本当に触れる距離で展示されていたりとかっていうのが多かったので、もう群を抜いて距離感の近さはありましたね。

この動物園に対して札幌市は、宅地や商業施設の開発が制限される「市街化調整区域」で建物の建設に必要な市の許可を得ずに、約20年間営業を続けているとして、都市計画法に基づき、すべての建物を撤去する“除却命令”を検討しているといいます。

これは、動物園に対する事実上の“閉園命令”となります。

札幌市 都市局開発指導課 坪田修一課長:
許可を得ないで建物を建てて動物園を運営していると。20年ずるずるというよりも、20年どんどん建物が増えていっているという状況ですね。
指導は複数回行っておりますが、その都度、「改善する」というお返事はいただいていますが、結局は現地としては建物が増えている。違反状態が、どんどん増えているというところがあります。

「市の指導を無視したかのような報道に困惑」

市の許可を得ずに営業しているとする一方で、札幌市は園内の飲食店や宿泊施設などについては、過去に営業許可を出しています。

しかし、これも園側からの事前申請ではなく、外部からの情報提供で営業していることを把握し、その後許可を出したものだといいます。

札幌市 保健所生活環境課 長野彩子課長:
この事業者に限らずですが、何かをやりたいと思ったときに、「あなたこっちの法律に違反しているかもしれないから、保健所許可出しません」と言われたら、それはまずいですよね。

許可を出した理由として、各部署がそれぞれの法律やルールにのっとって許可を出しているためとしながらも、どちらも外部からの情報提供を元に、市が立ち入り調査や指導を行った上での許可になったことについて、担当部署は…。

札幌市 保健所生活環境課 長野彩子課長:
やはり手続きを取らずに(先に営業を)やってしまう。これは、厳しく見ていかなきゃいけない事業者なんだなというふうに思います。

「ノースサファリ サッポロ」を運営する有限会社サクセス観光は、取材に対し「市との協議がまだ終了していない」としながらも、2019年に札幌市から移転などの提案があり、2024年12月には問題解消のために計画書を市に提出するなど、市との協議を続けていることを主張。
「市の再三の指導を無視したかのような報道に困惑しております」としています。

このような動物園側のコメントに対して、札幌市の側は…。

札幌市 都市局開発指導課 坪田修一課長:
許可を取得する話は、もちろん(動物園側から)相談として受けていて、許可を取るのはやぶさかではないのですけど。許可を取る話よりも、まず私が言いたいのは、「違反の建築物どうするんですか」っていうことなんですよね。
“許可を取る”ということと、“違反の建築物が除却されていない”というのは別の話なので、我々としては違反建築物の除却をして、そこに建物のない状態にしてくださいと。

「市街化調整区域」のルール上、現在、園内にある建築物はすべて違法であり、一度、更地にするしかないといいます。

今後、札幌市が除却命令を出した際に、動物園側がそれに従わなかった場合、どのような罰則が課されるのでしょうか?不動産法に詳しい小澤英明弁護士は…。

不動産法に詳しい 小澤英明弁護士:
1年以下の懲役、または50万円以下の罰金。1年以下の懲役っていうのは、個人が違反した場合で、法人だと50万(の罰金)。
金額的には少ないですけど、こういうふうな違反とかでの「罰金」はこれも「刑罰」なので、こういうことをやっていれば、色々な業務やるにあたって、資格が認められないとか色々あるので、そんな小さな制裁じゃない。

罰金だけではなく、その後、業務を行うに当たって様々な“制約”が課される可能性もあるといいます。
動物園の敷地をめぐる問題、どのような結論が出されるのでしょうか。
(「めざまし8」2月4日放送より)