アメリカの首都ワシントンで、旅客機と軍用ヘリが衝突した事故から1日。
トランプ大統領は旅客機とヘリの合わせて67人全員が死亡したと発表した。
そうした中、事故前後に管制官らが交わした音声が公開された。

日本時間の31日、記者会見したトランプ大統領は「残念ながら生存者はいない。これはワシントンにとって、そしてアメリカの歴史にとって、暗く耐えがたい一夜となった」と語り、旅客機の乗客・乗員64人とヘリコプターに乗っていた3人の合わせて67人全員が死亡したと明らかにした。
事故前後の管制官らの緊迫のやり取りが明らかに
この事故前後に管制官らが交わした、緊迫の音声が明らかになった。

管制官:
PAT25(ヘリコプター)、CRJ(旅客機)が見えますか?
PAT25、CRJの後方を通過して。

管制官は、アメリカ軍のヘリコプター「ブラックホーク」に旅客機の後ろを通過するよう指示したが、ヘリコプターは旅客機に衝突し爆発、川に墜落した。
この直後、別の航空機に指示している管制官の声の後ろで…。

管制官の無線:
オーマイゴッド!
さらに別の航空機からも…。

別の航空機:
管制塔、今のを見たか?
管制官:
われわれも見た。

管制官:
皆さん、飛行場内の現在位置から動かないで。全員待機してもらいます。できるだけ早くまた連絡します。
管制官は、すべての飛行機に待機するよう伝えると、消防指令に連絡した。

消防司令:
こちら消防司令。
管制官:
消防司令、事故は川の中で起きた。滑走路の東の川にヘリと飛行機の両方が墜落した。
さらに沿岸警備隊のヘリコプターに、捜索を依頼した。

管制官:
ブラックジャックスリー(沿岸警備隊ヘリ)基地に戻れますか?直行して今すぐ着陸してもらわないといけない。
管制官:
捜索用のライトは搭載していますか?

沿岸警備隊ヘリ:
着陸時に使う基本的なライトだけだが、捜索は可能だ。

またアメリカのワシントン・ポスト紙は、事故が起きた際、管制官が通常4人で行う業務を2人で担当していたと指摘した。
事故機にはフィギュアスケート選手や家族らも搭乗
墜落した旅客機はアメリカン航空の小型機で、フィギュアスケートの選手や家族らも搭乗していた。

1994年のリレハンメルオリンピック銀メダリストのナンシー・ケリガンさんは「どうしたらいいか分かりません。すみません。いつもここでスケーターの成長を見てきました。子どもたちは本当に一生懸命です」と涙ながらに語った。

旅客機には、1994年の世界選手権ペアでロシア代表として優勝したエフゲニア・シシコアさんとパートナーのワジム・ナウモフさんをはじめ、10代の有力選手らも搭乗していたという。

バージニア州のアイススケートリンクの前には、多くの花やぬいぐるみなどが手向けられていた。

トランプ大統領は事故の原因について、「バイデン政権が管制官の採用基準を歴代最も低い水準に引き下げた」と、バイデン政権時代に連邦航空局が多様性などに基づいた人事採用を行ったことが原因との見方を示唆し、物議を醸している。
そして現地メディアは、これまでに40人以上の遺体が収容されたと伝えている。
(「イット!」1月31日放送より)