埼玉・八潮市で28日、道路が陥没しトラックが転落する事故が発生した。
破損した下水道管から土砂が流入し、地中に空洞が発生した可能性があるという。
半径200メートルの住民に避難が呼びかけられるなど、周辺住民への影響も深刻化している。

陥没から約15時間後…すぐそばで新たな陥没も

埼玉・八潮市で28日、道路が陥没しトラックが転落する事故が発生した。
発生から1日以上が経過したが、運転手は車内に取り残されたままで救出作業は難航を極めている。

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29日のテーマは、「道路陥没で救出難航のワケは?ソレってどうなの?」だ。

トラックの運転手の救出作業は、夜を徹して続けられた。
アクシデントが発生したのは、事故から約15時間がたった29日午前1時ごろだ。

現場のすぐそばで新たな陥没が発生したのだ。
大きな音を立てながら、看板や電柱が穴にのみ込まれていった。
上空から見ると、道路上に大きな2つの穴が空いているのがはっきりと分かる。
29日午後からは、穴にたまった水を排水する機材が運ばれるなど、救助活動は本格化した。

広瀬修一キャスター:
この先、約250メートル離れた場所が陥没の現場になります。その上空に今、ドローンが飛んでいます。

ドローンも投入され、上空から陥没現場の内部などを確認する作業も行われた。
最初に陥没した穴の大きさは、直径約10メートル・深さは約6メートルという巨大な穴だ。

なぜ陥没は起きたのか、地盤システムを専門とする近久博志さんに聞いた。

地盤システム研究所:近久博志さん:
今回は下水道管が破裂というか、穴があいて周辺の土を取り込んでしまった。

原因として考えられるのが「下水道管の破損」だ。
陥没した道路の下、約10メートルの地点には下水道管が通っている。
この下水道管が腐食などにより破損し、そこから土砂が流入し地中に空洞が発生、たまたま通りかかったトラックの重さに耐えきれず陥没した可能性があるという。

そして、ここまで救出作業が難航している理由については、消防隊員が駆けつけた時、すでに運転席のドアが開けられないほどに土砂がたまっていたという。
運転席の後ろからの救助も試みたが、穴の内部が崩落して隊員2人が負傷し、危険な状況だったため断念したという。

地盤システム研究所:近久博志さん:
トラックが落ちたあとも、土が重なってそのトラックは少しずつ埋まっているはずなんですね。その埋まってるトラックが、周辺の土砂を崩れないように押さえている状態になっている。トラックを引き上げると、押さえているものがなくなるので、押さえたところの地盤が崩れますよね。

深夜に新たに起きた陥没も、トラックの荷台部分が引き上がられたタイミングで発生している。
トラックを引き上げることにより、2次災害のリスクがあることから救出作業が進まなかったとみている。

水道の使用控えるよう呼びかけ…住民の生活に影響も

青井実キャスター:
ーーパックン、懸命な救出活動が行われています。

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
日も暮れて、ますます運転手さんの安否が心配になります。ただ、救助隊員の安全を守らないといけないし、被害の拡大を防がなければならない。気をつけながら急いでいただきたいですね。

国交省によると、道路の陥没は、大小さまざまで年間1万件以上発生しているという。
そして、今回の事故でも住民の生活に影響が及んでいる。
ガス管が損傷する可能性があるとして、半径200メートルの住民に避難が呼びかけられた。

さらに、陥没した穴に下水が流れ込み、救助に支障が出る可能性があるため、埼玉県は八潮市や周辺の12の市や町に、風呂や洗濯などで水道の使用を控えるよう協力を呼びかけている。

現場近くに住む方に話を聞いた。

近くに住む人:
お風呂の水を捨てるタイミングを、いつもの時間ではなく、時間をずらして排水をしようかなと。

近くに住む人:
初めてのことだから、節水とか下水に流しちゃいけないというのが。どこからどうしたらいいのかっていうのが、いつまで続くのかっていうのがね。

一刻も早い救出を祈る中、救助活動が続いている。
(「イット!」1月29日放送より)

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